米株高・ワクチン承認に期待感(先読み株式相場)
国内株概況2021年2月15日 8:15
15日の東京株式市場で日経平均株価は反発しそうだ。追加経済対策への期待感から前週末12日の米株式相場が上昇した流れを週明けの東京市場も引き継ぐだろう。国内では14日に、米製薬大手ファイザーなどが開発した新型コロナウイルスのワクチンが特例承認された。ワクチン普及による景気回復への期待感も投資家心理を上向きにするだろう。日経平均はすでに高値圏とあって利益確定の売りは出やすいものの、堅調さを維持しそうだ。
前週末12日の米ダウ工業株30種平均は反発し、前の日に比べて27ドル(0.1%)高の3万1458ドルと過去最高値を更新して終えた。主要3指数ともに過去最高値を更新。バイデン米大統領が11日、新型コロナワクチンの追加供給の契約を結び、経済活動の正常化への期待が一段と高まった。米長期金利の上昇を受け金融や素材など景気敏感株が上昇した。
週明けの日本株も上昇して始まりそうだ。米議会上院の弾劾裁判が13日、トランプ前米大統領に無罪評決を下しており、政治的な不透明要素がいったん払拭されたことはポジティブ材料だ。国内外で新型コロナの感染動向がピークアウトしてきたようにみえることも相場の支えとなる。米国でのワクチン供給強化に加え、日本国内での初承認による接種開始で景気回復が進むとの見方が一段と広がれば、景気敏感株を中心に買いが優勢となりそうだ。
ただ、前週に日経平均は週間で740円(2.6%)あまり上昇した。30年半ぶりの高値圏で推移するなか、「企業業績の発表もほぼ一巡し、新たな取引材料が出てくるまでは様子見の気分が強まりやすい」(国内証券の株式情報担当者)との指摘もあった。前週末に福島県や宮城県を中心に起きた強い地震による影響を見極めたい雰囲気もあり、地合いの強さは維持しながらも上値追いが急加速する可能性は低い。
日本時間13日早朝の大阪取引所の夜間取引で日経平均先物3月物は前の日の清算値より210円高い2万9590円で終えた。
個別株では2020年12月期の連結決算(国際会計基準)で最終損益が1141億円の赤字と2期連続で最終赤字となった楽天が注目だ。携帯事業への先行投資が響いたが、12日夕の私設取引システム(PTS)では急落しており、きょうの株価動向に関心が集まりそうだ。
内閣府が寄り付き前に20年10~12月期の国内総生産(GDP)速報値を発表する。新型コロナ禍でも底堅さを維持しているとの安心感が広がれば、日本株の支えとなりそうだ。リクルートホールディングスと日本製鋼所が20年4~12月期決算を、電通グループやクボタが20年12月期決算をそれぞれ発表する。
海外では中国や香港、台湾などの市場が休みとなるほか、米国もプレジデントデーの祝日で休場となる。