【米国市況】S&P500小反落、週間でも下落-国債利回り上昇継続
Isabelle Lee 2022年4月9日 5:57 JST ブルームバーグ
8日の米株式市場ではS&P500種株価指数が小反落。米国債相場は軒並み下落。先の連邦公開市場委員会(FOMC)会合の議事要旨公表に端を発したイールドカーブのスティープ化が続いた。
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S&P500種は週間ベースでも下落。ハイテク銘柄中心のナスダック100指数も下げ、週間で3月半ば以来の大幅安となった。この日は、欧州中央銀行(ECB)が経済力の弱いユーロ圏加盟国で債券利回りが急上昇した場合に備え、危機対応手段を策定しているとの情報が伝わった。
S&P500種は前日比0.3%安の4488.28。週間ベースでは1.3%安となった。ナスダック総合指数は1.3%低下。一方、ダウ工業株30種平均は137.55ドル(0.4%)高の34721.12ドル。米国債市場ではニューヨーク時間午後4時1分現在、10年債利回りが5ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の2.70%。
調査会社ヤルデニ・リサーチのエド・ヤルデニ社長は「米金融当局は、リセッション(景気後退)を招かずにインフレを抑制することを目指している。投資家はこれに懐疑的だが、インフレは年内に和らぎ、ハト派が復活すると当社は考える」とリポートで指摘した。
外国為替市場ではドル指数が7営業日続伸。2020年3月以来の長期連続高となった。全ての年限で米国債利回りが上昇したことが背景。
主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は0.1%未満上昇。一時は20年7月以来の高水準となる場面もあった。ニューヨーク時間午後4時1分現在、ドルは対円で0.3%高の1ドル=124円35銭。ユーロは対ドルで0.1%未満安い1ユーロ=1.0876ドル。
ニューヨーク原油先物相場は反発。ただ週間ベースでは2週連続の下落となった。大規模な石油備蓄放出の計画に加え、需要に悪影響を及ぼしかねない中国での新型コロナウイルス感染再拡大や米金融当局のタカ派姿勢が重しとなった。
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物5月限は、前日比2.23ドル(2.3%)高の1バレル=98.26ドルで終了。週間では1%安。ロシアによるウクライナ侵攻後の上昇分の多くを失う格好となっている。ロンドンICEの北海ブレント6月限はこの日、2.20ドル高の102.78ドル。
ニューヨーク金先物相場は続伸。米金融政策見通しが警戒される中、地政学的リスクなどが意識されて週間ベースでも上昇した。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物6月限は、前日比0.4%高の1オンス=1945.60ドルで終了した。
原題:Stocks, Bonds Fall as Tough Week Comes to End: Markets Wrap(抜粋)
Treasuries Curve Extends Steepening; Block Trades Look to Fade(抜粋)
Dollar Rises For Seventh Day Amid Higher Yields: Inside G-10(抜粋)
Oil Sheds Bulk of War-Driven Gains in Second Weekly Decline(抜粋)
Palladium Jumps After London Market Suspends Russian Refiners(抜粋)