米国株、ダウ小反発 長期金利上昇で伸び悩む
米国・欧州株概況2022年6月7日 5:06 (2022年6月7日 5:16更新)
【NQNニューヨーク=戸部実華】6日の米株式市場でダウ工業株30種平均は小幅に反発し、前週末比16ドル08セント高の3万2915ドル78セント(速報値)で終えた。中国の経済正常化の期待や同国当局による企業規制の懸念が和らぎ、午前中には上げ幅が一時300ドルを超えた。だが、米長期金利が再び3%台に乗せると嫌気した売りで伸び悩み、午後には下げに転じる場面もあった。
中国・北京市は6日、新型コロナウイルスの感染対策のための行動規制を緩和した。1日には上海市が都市封鎖を解除しており、中国経済の回復期待が広がった。米ウォール・ストリート・ジャーナル紙が6日、中国当局が配車アプリの滴滴出行(ディディ)に対して利用客の新規獲得の禁止などの規制を解除すると報じたことも投資家心理の改善につながり、朝方は買いが先行した。
ただ、買い一巡後は伸び悩み、午後には小幅安になる場面もあった。米長期金利が一時、前週末比0.11%高い3.04%と、5月中旬以来の高水準を付けた。市場ではインフレ見通しや米連邦準備理事会(FRB)による金融引き締めのペースを巡る不透明感が根強く、株買いの勢いは続かなかった。
長期金利が上昇すると相対的な割高感が意識されやすい高PER(株価収益率)のハイテク株が売られ、顧客情報管理のセールスフォースとソフトウエアのマイクロソフトが安い。スポーツ用品のナイキや映画・娯楽のウォルト・ディズニーなど消費関連株の一角も売られた。一方、医療保険のユナイテッドヘルス・グループや通信のベライゾン・コミュニケーションズなどディフェンシブ株は高い。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は反発し、前週末比48.636ポイント高の1万2061.370(速報値)で終えた。