米国株、ダウ続落し396ドル安 米長期金利上昇が重荷、ナスダック反落
【NQNニューヨーク=横内理恵】2日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続落し、前日比396ドル61セント(1.00%)安の3万9170ドル24セントで終えた。米景気の底堅さやインフレの高止まりで米連邦準備理事会(FRB)の利下げが先送りになる可能性が意識された。米長期金利が一時約4カ月ぶりの水準に上昇(債券価格は下落)し、株式の相対的な割高感につながった。
「利下げ開始が7月以降になるとの見方が相場の重荷となった」(CFRAのサム・ストーバル氏)。前日発表の3月の米サプライマネジメント協会(ISM)の製造業景況感指数が1年半ぶりに好不況の境目である50を上回った。価格指数の上昇も目立った。2日発表の2月の米雇用動態調査(JOLTS)では求人件数が1月から小幅に増え、労働市場の底堅さを示した。
米長期金利が4.40%(1日終値は4.31%)と、昨年11月下旬以来の水準を付ける場面があった。米原油先物相場が一時1バレル85ドル台半ばと期近物として昨年10月以来の水準に上昇したのもインフレ懸念につながった。
ダウ平均は500ドルあまり下げる場面があった。最近まで主要株価指数の最高値更新が続いてきたため、利益確定や持ち高調整の売りも出た。一方、米長期金利が4.3%台半ばに水準を切り下げたこともあり、引けにかけてダウ平均は下げ幅を縮小する場面があった。
FRB高官発言ではクリーブランド連銀のメスター総裁が年内に0.25%の利下げを3回実施することについて「引き続き妥当とみているが、五分五分だ」との見解を示した。6月の利下げの可能性は排除しなかった。一方、サンフランシスコ連銀のデイリー総裁はインフレ減速が緩やかななか、利下げについて「緊急性がない」と述べた。これまでの高官発言と大きく離れた内容ではなかったと受け止められた。
ユナイテッドヘルス・グループが大幅安となり、ダウ平均を200ドルあまり押し下げた。メディケア(高齢者向け公的医療保険)事業を請け負う保険会社への米連邦政府の2025年の支払いの方針が明らかになり、業績の不透明感につながった。アムジェンやインテルが売られたほか、ウォルマートやナイキなど消費関連株の下げも目立った。一方、ダウやウォルト・ディズニーは上昇した。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は反落し、前日比156.383ポイント(0.95%)安の1万6240.449で終えた。2日に発表した24年1〜3月期の世界の電気自動車(EV)販売台数が前年同期を下回ったテスラが売られた。エヌビディアやアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)など半導体株も安かった。