「空を飛ぶ」「歯が抜ける」、5つの夢の心理学的な隠された意味
4/6(土) 18:00配信
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「夢」は、不可解な物語を見せたり何らかの象徴を表す私たちの意識の一部だ。文化や時代を超えて、夢は絶え間ない関心と解釈の対象となってきた。心理学的研究を通じて、学者も一般人も、夢の意味を解明したいと考えている。
■夢を見ることに対する心理学的視点 夢は、私たちの「無意識」の最も捉えどころのない断片の一つと言えるだろう。私たちは急速眼球運動（REM）が起きる睡眠の段階で夢を見ることが分かっている。その正確な目的や意味については長年議論が続いているが、研究者の推定では、平均的な人は一晩に4～6回の夢を経験するという。 この夜の冒険の中で、私たちの心は示唆的な旅に出る。しかし、夢の目的と同様に、その意義や起源についても議論が絶えない。
■フロイトの視点 精神分析の創始者であるジークムント・フロイトは、夢は「無意識を知るための王道」だと考えていた。フロイトによれば、夢は通常は意識から隠されている私たちの最も深い欲望、恐怖、葛藤の入り口であるという。 彼は顕在的内容（夢の見たままの物語）と潜在的内容（隠された象徴的意味）という理論を提唱した。そして、精神分析を通じて、これらの隠された意味を解読し、無意識の葛藤が覚醒時の生活にどのように影響しているかを明らかにしようとした。
■ユングの視点 心理学のもう一人の先駆者であるカール・ユングは、夢に対する別の見方を示した。彼にとって、夢は単に潜在意識のランダムな表れではなく、むしろ私たちが精神の全体性を求めるのに付随する探求活動であると唱えた。ユングは、人間の経験に浸透する普遍的なシンボルである「元型」（アーキタイプ）という概念を唱え、夢はこれらの元型が現れるチャネルであるとした。 ユングは、夢と向き合うことで、自己発見につながり、自分の性格の影の部分に立ち向かうことができると考えたのだ。
■現代の視点 現代の心理学では、夢の性質に関する多様な理論がある。 認知理論では、夢は脳の情報処理の副産物であり、記憶を統合すると同時に学習を強化する役割を果たすと提案している。神経学的研究では、夢の基礎となる複雑なメカニズムに注目し、レム睡眠中の脳の活動の役割を強調することが多い。 現代の心理学による視点は貴重な洞察を提供するが、しばしば、個人的な意味を夢に求めることを避けがちである。
一般的な夢の象徴とその意味
■さまざまな夢の「カタチ」とその意味 夢はさまざまな形をもち、それぞれ独自の意味を持っているとされる。Motivation and Emotion誌に掲載された研究によれば、私たちの夢には共通したモチーフが複数あるという。解釈は様々だが、文化や国を超えて特定のテーマが繰り返し現れるのだ。
落下する夢 恐らく最も一般的な夢のモチーフの一つだ。落下する夢は、脆弱性と統制力の喪失を表す。心理学的には、これらの夢は失敗への恐怖や混乱への転落を象徴している可能性があるとされる。一方で、落下は抑制を手放し変化を受け入れる必要性を示唆することもある。
フロイトは、落下を性的な欲望や不安の表れと解釈し、解放や降参への誘惑を反映していると考えた。
■空を飛ぶ夢 落下とは対照的に、空を飛ぶ夢は地上の束縛から解き放たれる高揚感を表している。心理学的には、空を飛ぶ夢は自由、力強さ、超越を象徴しているとされる。
ユングは、飛ぶことを精神的上昇の比喩とみなし、啓発への旅を意味すると考えた。このような夢は、しばしば高揚感や多幸感をともない、精神の可能性を垣間見せてくれる。
■追いかけられる / 襲われる夢 夢の中で追われる感覚は、原始的な恐怖と回避の本能を呼び起こす。心理学的には、これらの夢は未解決の葛藤や感情に直面することを避けていることを表すとされる。外部からの圧力や内なる混乱に圧倒されていることを反映している可能性もある。
ユングは、これらの夢をシャドウ・セルフ（影の自分）、つまり抑圧された性格の暗い側面との対峙を意味すると解釈した。
■歯が抜ける夢 奇妙ではあるが、歯が抜ける夢は驚くほど一般的で、しばしば不安や脆弱性を感じさせる。心理学的には、これらの夢は加齢への恐れ、活力の喪失、自己イメージへの懸念を象徴するとされる。あるいは、古い習慣や信念を捨て去り、成長の道を切り開くための更新と再生の必要性を示している可能性もある。
しかし、フロイトはそれを性的な不安や去勢恐怖の反映と解釈し、無力感や男らしさの喪失感と結びつけた。
■公共の場で裸になる夢 公衆の面前で裸になる夢は、深い脆弱性と露出の感覚を感じさせるものだ。心理学的には、これらの夢は判断、拒絶、社会的な精査への恐れを象徴するとされる。自己イメージに対する不安や、自覚している欠点や弱点を隠したいという願望を反映しているのかもしれない。
ユングは、裸は社会的な仮面や偽りを取り払い、本当の自己を露わにすることの喩えだと解釈した。
古典的心理学から現代の心理学まで、夢の研究は私たちがもつ「無意識」への窓を開いてくれる。夢の世界では、無意識が語りかけてくる。それに耳を傾けることで、私たちが起きている間に感じる意識の下に隠された本当の気持ちを知ることができるのかもしれない。
Mark Travers
