いまさらながら、昔のUFCのビデオを見てみたのだが、パンクラスの日本人選手すごく頑張っていた。
高橋も打撃でイズマイウを凌駕していたし、近藤は筋骨隆々の混血児をパウンドで下していた。
当時、UFCの試合を観る手段がなく、情報は格闘技通信やフルコンタクト空手などの雑誌に頼るしかなかった。
UFC1、2あたりは後から高田馬場にあったプロレス格闘技のクエストというビデオ販売会社が出しているビデオを買って観た。しかし、そのあとは買ってない。
たしか当時、上落合に住んでいたのではなかったか。NKホールだったかで開催されたヴァーリトゥード・ジャパン1、2も一人で観に行った。
で、当時私はパンクラスが嫌いで、試合も見たことなかったけど、格闘技風味のプロレスと思っていて、リアルファイトの世界に絡んでくるのが鬱陶しいと思いつつ、ガタイが良くてそれなりに戦える日本人選手の供給源としてはちょと期待していた。
雑誌の評価ではパンクラス選手たちのUFCでの戦いぶりはあまり芳しくなかった。私はその記事を読んで、それ見たことか。理屈ばかり言いやがって、と思っていたのだが、改めて見てみると実にいい試合をしていた。
パンクラスの試合そのものは、リアル風プロレスであったと今でも思っているが、UFCでのパンクラス選手たちの戦いぶりは見事だった。
UFCの選手の多くが打撃を交差させることを嫌って、飛び膝蹴りとか一回転してのバックハンンドブローなど奇襲技を多用しているように見える。
また蹴りはガードするが、パンチはガードせずヘッドスリップでかわしていることが多い。グローブが小さいからだろう。
あと、たいていの試合が寝技で膠着して泥仕合っぽくなってしまうので早送りしてしまう。
危険なので実現性は極めて低いが、組んだ状態での肘打ちをありにすれば、あんな膠着はなくなると思うのだが。
古代ローマのパンクラチオンとUFCに代表される現代MMAの大きな違いは肘打ちの有無ではないだろうか。
ケイン・ヴェラスケスという小柄なヘビー級の選手がいて、胴タックルにいって頭を下げて相手に組み付き、組み付いたまま左右の大振りフックを打つ、という戦法をとるのだが、これが中々クリーンヒットが出ない。けれど流血はして血みどろの泥仕合になるのだが、肘があればああいう無様は試合はなくなるはず。
また、最近ライトヘビー級タイトルを防衛し続けている、ジョン・ジョーンズだが、彼の戦い方はひどい。
向き合った相手の前足の膝を横蹴りで蹴るのだが、これはローキックみたいに効かせるためではなく相手の膝関節を破壊するための技で、対戦相手の事を全く考えていない。
また、オーソドックスに構えた場合、拳ではなく左手を開いた状態で前に突き出し、相手の顔を押したり払ったりするが、これも相手の目に指が入る可能性が高い、危険な技である。
ルール上禁止されていない、ということで許されているが、対戦相手を少しでもリスペクトしていれば、こういった技は自粛するものだと思う。
最近はほとんど観戦することもない、とてもファンとは言えない立場だが、早期のルール改正を望みたい。
UFCを久しぶりに観戦した(大分前の試合)の雑感だった。