趣味で多肉植物を育てているが、今年は夏、暑かったからか生育状態が今一つのように思われる。
その中の一鉢、「古紫」という種類の話である。
古紫はエケベリアという種類に属しており、ロゼット型すなわちバラの花のような形に葉っぱが綺麗
に並ぶ。
そして少しずつ上に伸びていくのだが、根っこに近い部分の葉っぱは順番に枯れていく。
枯れた葉っぱは放って置くと中々茎からはずれず、見た目があまりよくない。
それで、ピンセットで枯れた葉っぱを取り除いていた。
そうするとロゼットの下に隙間が出来て、何か緑の葉が見えた。
つまんで引っ張ると持ち上がったので、そのまま引っ張り出した。
なんと、小型の古紫の株である。
根っこまでついていて、柔らかい砂地に乗せればそのまま根を張っていく状態に見える。
それが、陽のあたらない親株の葉の下では根を出しても槌の中に張らず、ただ転がっていたのだ。
拾い上げてもらい、どこかに植えてもらうの待つように。
多肉植物は葉っぱをもいで転がしておくと、芽を出し根を出し大きくなることが多いが、これには驚
いた。
まるで植物が子供を産んだようだ。
その「子供」は日当たりのいい所に植え直してやった。
いずれはお母さんのようにどっしり大きくなってほしいものだ。