白雲去来

蜷川正大の日々是口実

尊攘義軍79年祭。

2024-08-23 14:31:58 | 日記

8月22日(木)午前中一瞬の雨、のちに晴れ。

晩夏の季語に「溽暑(じょくしょ)」という言葉があるのを「産経抄」で知った。土潤溽暑(つちうるおうてむしあつし)」からの略語で、湿気が多くムシ暑いという意味。勉強になった。

今日は、東京芝・愛宕神社境内「殉皇十二烈士女之碑」前にて、尊攘義軍十二烈士女七十九年祭が執り行われた。保土谷駅にて志村馨君と待ち合わせて新橋へ。大熊雄次氏と合流。後に、札幌の雪田顕正君、盟友のO氏も参加。

慰霊祭を主催する「尊攘義軍顕彰会」は、先輩の犬塚博英議長が務め、顧問に山口申先生が名を連ねており、弊社の機関誌『燃えよ祖国』にて健筆を振るっている國の子評論の横山孝平さんが、お手伝いをしている。

昭和27年に建立された尊攘義軍「弔魂碑」にはこう記される。
『弔魂碑』
昭和二十年八月廟議降伏に決するや蹶起して内府木戸邸を襲ふ 
転じて愛宕山に籠り所在の同志と呼応 
天日を既墜に回さむとする者即ち尊攘義軍十烈士 
しかれども遂に二十二日午後六時相擁して聖寿万歳ととももに手榴弾を擲ち一瞬にして玉砕す 
時 俄に黒風暴雨満山を蔽ふ
二十七日払暁同じき所に坐して二夫人従容後を逐ふ
忠霊芳魂永遠に此処に眠る 遺烈万古尽くる時なからむ

天なるや秋のこだまかとこしえに愛宕のやまの雄たけびのこゑ

昭和二十年八月十五日早暁、日本を敗戦降伏という未曾有の事態に陥れようとする元凶として、木戸内大臣を斃すべく立ち上がった尊攘義軍十烈士は、しかし事成らず次の手立てのために芝・愛宕山に立て籠もった。取り巻く官憲との攻防が熾烈を極めるなか、義軍の志士たちは天下の情勢を冷静に見極め「承詔必謹」の大義に殉じることを決めることとなる。義軍のその決意は「陛下の詔に反した罪の責任をとる」玉砕であった。しかし官憲は、解散を強く要求するなか、二十二日夕刻、義軍に対し発砲を開始する。そのとき、義軍陣地から数発の爆音が轟いた。烈士らは、相抱きあいながら、手榴弾を炸裂させ最期の時を迎えたのである。自決された、飯島與志雄大人命の辞世「一脈の正気留めて日の本の誇りとともに吾は砕けつ」「神州の不屈をしめす此の正気継ぐ人あらば思ひ残さじ」また、二十七日早暁には、義軍の二夫人が自刃場所を清めたあと拳銃自決をし夫君の義挙に殉じた。

こういう慰霊祭に参加するのは、亡くなられた方たちの慰霊も当然だが、私自身の「腸(ハラワタ)の腐り止め」のためでもある。終了後、日頃からお世話になっている方に両国で直会にご招待される。お世話になりました。


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お前、ホントに秋刀魚なの。

2024-08-23 13:58:13 | 日記

8月21日('水)晴れ。

そういえば、スーパーに行ったら「秋刀魚」が並んでいた。二匹で580円。安いのか高いのか良く分からなかったが、一瞬、サヨリかと思うぐらいの小ぶりの物だったが、まあ初物だからと自分に言い聞かせて買った。普通ならこの時期「暑さ寒さも彼岸まで」と、魚屋に秋刀魚が並ぶ頃には暑さも一段落するのだが、文字通りの「残暑厳しき」日が続いている。

そう、その秋刀魚の話。人生古希を過ぎるまで生きてきて、数えたことはないが随分と秋刀魚を食べてきた。しかし、こんなにパサパサで不味い秋刀魚は記憶にない。「お前、ほんとに秋刀魚なの」と嫌味が思わず口から出た。まだイワシの「目刺し」の方がずーっとましだった。以下は、一年前の私のブログ。

「あはれ秋風よ 情(こころ)あらば伝えてよ――男ありて 今日の夕餉(ゆうげ)に ひとりさんまを食ひて思いにふける と」。有名な佐藤春夫の「秋刀魚の歌」である。佐藤がこの詩を書いた当時も、今から10年ほど前も秋刀魚は庶民の味方、安かった。一人暮らしの中年男が、秋刀魚を食しながら思いにふける・・・。これがマグロの中トロであったりカニやイクラであったなら、情景が違ってくるのだろう。しかし、昨今では、秋刀魚を食しても悲壮感などない、出始めの頃には一匹、千円近くもすると、とても買おうとは思わない。

冗談ではなく、群青の会の大熊雄次さんの行きつけの上野の「もん」という居酒屋のマスターのみきちゃん(男です)が、「上野の吉池の魚屋では、一匹5千8百円の定価が付いていました」と、スマホで撮った証拠の写真を見せてくれた。翌日、みきちゃんが吉池に行って「売れましたか」と聞いたら「売れませんでした」。当然だろうなぁー。初鰹をすべて買い占めて近所に配り、残った一匹を食した紀伊国屋文左衛門が生きていたら、その吉池の秋刀魚を買って吉原で食べてもらいたいものだ。


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