旧松井田町役場(白井晟一)

前橋の老舗書店「煥乎堂」について書いたのが5月でした。前橋に住むものにとっては旧店舗はある意味で文化の象徴でもありました。そして記事を書く過程で設計者が白井晟一であることを知ることが出来ました。この店舗が取り壊されたことは今にして思うと非常に残念でした。
最近知り合った「とんとんさん」に背中を押されるようにして群馬県に残る白井晟一の作品旧松井田町役場を見に行きました。妻の実家は安中市で、松井田町は近くです。カーナビに「安中市役所松井田支所」の電話番号を入力して、10分ほどで現地に到着。しかしネットで見た写真と余りにも違います。

良く見ると「定礎平成4年」とありました。きっと旧庁舎は別の場所にあるだろうと思って近所の人に聞くと直ぐ近くであることが分かりました。この人も旧庁舎が有名な建築家の設計であることは知っていました。車で3分、やっと目的地にたどり着くことが出来ました。

現在は「松井田町文化資料室」(安中市松井田町新堀 1415 027-393-0632)として使われていました。正月なので休館、内部を見ることは出来ません。ぐるりと周りを巡ると、なまこ板で屋根を葺いたカーポートやゴミを隠すブルーシートがあちこちにあります。

正面から見たのでは良く分かりませんが、バルコニーは大きな円弧を描いています。

ここに上がると正面には奇岩が連なる妙義山が目の前に見えるはずです。

この建物は煥乎堂旧店舗のように取り壊しを免れて余生を送っています。しかし展示品と同様にこの建物自体が文化遺産として取り扱われていないのは残念です。オリジナルの姿に復元・保存を望みます。平日に再び訪問して内部もレポートしたいです。

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