過去の工事実績の写真を見ていてレールウェイ開発当時のことを思い出しました。予算と工期が十分あるプロジェクトに遭遇した機会を捉えて実験的な試み行い、その成果をラインナップに加えることが出来ことがあるのです。宇都宮の工事の成果の一つが「レールウェイ」です。
創業当初からワイヤーロープをダブルで使い、搬器(トロリー)にぶら下がって遊ぶ「ロープウェイ」を生産して来ました。
私の会社で開発した機能部品は業界の標準品として認知されるようになっています。しかし、張られたワイヤーロープに沿って滑走するだけなので、何とかぶら下がって左右にカーブさせたいと考えていました。2m程度のスパンでC型鋼の間に滑車を入れて滑る遊具は外国製の複合遊具の1アイテムとして既に存在していましたが、私の目からは面白そうとは思えませんでした。少なくとも20m程度の距離を滑らせるのが目的でした。
まず軌道を何で作るか考えます。C型鋼は却下です。何故なら断面が切れているC型鋼を歪み無く曲げることは極めて困難だからです。H型鋼でも出来なくはありませんが、これでは工場のクレーン風になってしまいます。やはり使い慣れた鋼管を3本まとめて使うことにしました。その頃からレーザー加工が気軽に使えるようになったので、鋼管をまとめる金具はレーザーで切ることにしました。
トロリーにの車輪は鉄道の車輪を参考にして、カーブで傾いた時に外側の車輪の直径が大きくなる様な形状をCADを使ってデザインしています。車輪の材質は最初ナイロンを使いましたが、現行品では超高分子量ポリエチレンになっています。耐摩耗性を重視したためです。主要な部品の図面を以下に示します。
鋼管で構成されたレールの鍍金上がりの写真を見れば、レールユニット(単位長4m)を理解して頂けるかと思います。
工場での試作は、4mのレールをウマに乗せ、角度を変化させながらトロリーを滑らせます。ウエイトは鎖を麻袋に入れたものを使いました。これは重さを調節するためで、40kgに調整した記憶があります。実験の結果を考慮して滑走角度は約2.5度としました。滑り台屋的アークサイン(逆正弦)感覚では「4m行って180mm落ちる」です!
一定の角度で滑らせると等加速度運動になるので、最後は軌道を持ち上げて対処することにしました。どれ位持ち上げれば良いかも計算しました。でも試走するまでは心配でしたが、思ったように機能して供用開始にこぎつけました。
子供たちの受けも良かったので安心しました。模型飛行機からの写真もありますが、終点までの画像になっていないのがちょっと残念です。
このレールウェイを一方通行ではなく周回させようという製品が冒頭の画像です。次の動画はJR両毛線国定駅近くの公園で撮影したものです。
初速を大きくすると着地することなく周回可能であることが分かりますが、白いTシャツの「太め君」が素晴らしいですね。私が演出したのではありませんよ!
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(08/03/17追記)冒頭の写真は宇都宮ではなくて、富山県南砺市(旧城端町)の桜ヶ池公園に設置してあるレールウェイです。ライブカメラも設置してあります。
創業当初からワイヤーロープをダブルで使い、搬器(トロリー)にぶら下がって遊ぶ「ロープウェイ」を生産して来ました。
私の会社で開発した機能部品は業界の標準品として認知されるようになっています。しかし、張られたワイヤーロープに沿って滑走するだけなので、何とかぶら下がって左右にカーブさせたいと考えていました。2m程度のスパンでC型鋼の間に滑車を入れて滑る遊具は外国製の複合遊具の1アイテムとして既に存在していましたが、私の目からは面白そうとは思えませんでした。少なくとも20m程度の距離を滑らせるのが目的でした。
まず軌道を何で作るか考えます。C型鋼は却下です。何故なら断面が切れているC型鋼を歪み無く曲げることは極めて困難だからです。H型鋼でも出来なくはありませんが、これでは工場のクレーン風になってしまいます。やはり使い慣れた鋼管を3本まとめて使うことにしました。その頃からレーザー加工が気軽に使えるようになったので、鋼管をまとめる金具はレーザーで切ることにしました。
トロリーにの車輪は鉄道の車輪を参考にして、カーブで傾いた時に外側の車輪の直径が大きくなる様な形状をCADを使ってデザインしています。車輪の材質は最初ナイロンを使いましたが、現行品では超高分子量ポリエチレンになっています。耐摩耗性を重視したためです。主要な部品の図面を以下に示します。
鋼管で構成されたレールの鍍金上がりの写真を見れば、レールユニット(単位長4m)を理解して頂けるかと思います。
工場での試作は、4mのレールをウマに乗せ、角度を変化させながらトロリーを滑らせます。ウエイトは鎖を麻袋に入れたものを使いました。これは重さを調節するためで、40kgに調整した記憶があります。実験の結果を考慮して滑走角度は約2.5度としました。滑り台屋的アークサイン(逆正弦)感覚では「4m行って180mm落ちる」です!
一定の角度で滑らせると等加速度運動になるので、最後は軌道を持ち上げて対処することにしました。どれ位持ち上げれば良いかも計算しました。でも試走するまでは心配でしたが、思ったように機能して供用開始にこぎつけました。
子供たちの受けも良かったので安心しました。模型飛行機からの写真もありますが、終点までの画像になっていないのがちょっと残念です。
このレールウェイを一方通行ではなく周回させようという製品が冒頭の画像です。次の動画はJR両毛線国定駅近くの公園で撮影したものです。
初速を大きくすると着地することなく周回可能であることが分かりますが、白いTシャツの「太め君」が素晴らしいですね。私が演出したのではありませんよ!
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(08/03/17追記)冒頭の写真は宇都宮ではなくて、富山県南砺市(旧城端町)の桜ヶ池公園に設置してあるレールウェイです。ライブカメラも設置してあります。
周回可能というのは素晴らしい。手ぶらで戻ってくる手間が省けるのはもちろんですが、自信のある子は周回するための技を磨くことでしょう。楽しさを享受するだけでなく挑戦できる遊具も必要ですね。
楽しそうな遊具ですね。1周着地せずに帰って自信満々だったろうに・・・最後のコケかたは最高です!
微笑ましいですね。
我家も暖かくなったので、たけやまの忍者砦に昨日から遊びに行っています。子供の楽しそうな笑い声はたまらないですね。こちらまで楽しくなってきます。
本文に書き忘れましたが、冒頭の画像は宇都宮ではなくて富山県南砺市(旧城端町)です。
太め君は「カット!」と叫んでいましたが、こんな素晴らしいシーンは演技を付けても容易に撮影出来るものではありませんねぇ。
年度末で忙しく、たけやまにもしばらく行っていません。伊勢町児童公園もたまには行きたいのですが。
暖かくなって、こどもたちの声を聞きたくなりました。
ございました。その通り、ブログ同窓生でございます。それにしても楽しそうな遊具ですね。うちの子供たちももう公園の遊具で遊ぶ年ではなくなりましたので、懐かしく拝見いたしました。
最近gooブログのジャンルに登録することを遅まきながらやり始めました。sasukeさんの最初のエントリーの画像が私のと同じだったので懐かしくてコメントした次第です。
現在の生業は遊具屋ですが、戦後はミシン屋で、戦前は和菓子屋でした。今後も宜しくお願いします。