桜乃記-さくらのき-

九州に住む、しがない若手サラリーマンが書きつらねた現代の随筆。
日本名刺研究会(会員数2名)の代表でもあります。

便器に潜む魔物のお話

2008-04-20 | その他
最近お腹の調子が悪い僕。

会社で黙々と作業していた私は、その日もお腹が痛くなってトイレに駆け込んだのだった。
トイレに入るなり、奥にある和式のトイレから、巨大なコスモを感じ取った。



しかしそれにかまわず、奥の和式便所に駆け込む僕。
なぜなら、手前の便所は洋式であり、僕はそれを好まなかったからだ。

しかし扉を開けるやいなや、私はかつてない衝撃に打ちのめされた。

「で、でかい!」

なんということだろう...
そこには巨大なう○こ(以下仮名で”魔神ブウ”と呼ばせていただきます)が鎮座していた。

だがなんという堂々とした佇まいだろうか。
圧倒的な存在感。
それは、私が生まれて四半世紀ばかり、今まで見たこともないようなキングサイズの魔神ブウだった。

さっきのにおいの主は,
こいつだったのか...

僕は思わず納得したが、とりあえずこやつをこの地上から消し去らねばならない。
私はお腹が痛いのだ。
さらばだ、巨大魔神ブウよ。
短い生涯だったな。

僕をそうつぶやいて、容赦なくトイレのレバーを倒した。
勢いよく流れ出る水。

ジャ~


これでよしと。



水が流れ終わるのを見届けた僕だったが、
そこで初めて恐怖に身を震わせることとなった。
そう、フリーザのあまりの強さに恐怖したベジータのように。

「やっ、奴が生きている!!」

あれだけの水流を浴びせかけたにもかかわらず、魔神ブウ様は以前と全く変わらない姿でそこに立っていた。
時流、否水流に飲み込まれないその姿は、むしろ誇らしげですらあった。


「ば、ばかな....」

そこで一瞬僕は考えた。
このまま逃げ去ろうかと...

僕が封印を解いた魔神ブウではないのだ。
ここで立ち去っても、責められるいわれはない。

ましてやこの魔神ブウ様の戦闘能力は、私の想像を遙かに凌駕しているのだ。
言ってみれば怪物なのだ。

私の手に負えるわけがない!


...しかし。
しかしである。

いまはまだ午前10時半。
会社にはあと10時間程居なければならない。

掃除のおばさんが来るのは翌朝の8時台。
当然それまで待つことは出来ない。
においがキツ過ぎるからだ。

誰かがこいつと闘って勝利しなければ...

「.......」

ならば、この俺が!

この俺がこいつに引導を渡してやろう!


僕は覚悟を決めた。

こいつを長い時間放置しておくのは、あまりにもデンジャラス過ぎる!


やってやる、やってやるんだ!
俺は唯一武器であるトイレットペーパーを、カラカラと引き出した。

そして魔神ブウの感触が手に伝わらない程度に、手の先にトイレットペーパーを巻きつけた。

そして地味~に魔神ブウを押す俺。
すると、難攻不落と思われていたブウが少しずつ動くではないか!

よし今だ、最大の奥義、廬山昇竜覇!!
ぐいっ
俺は水流レバーに渾身の力をを込めた。

えいっ!
ジャ~

僕の放った最大の奥義は確実にブウの急所を捉えた。
その威力の前に、ブウはついにその姿を消していったのである。



かくして、世界に再び平和が戻った。