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新型コロナは世界にどう広がったのか? 遺伝子解析で追跡

2020-03-07 | 医療、健康

 

新型コロナは世界にどう広がったのか? 遺伝子解析で追跡

科学者たちは、新型コロナウイルスの遺伝子変異をリアルタイムで追跡している。遺伝情報から、ウイルスの進化の様子や、各国に複数の経路で侵入してい...

MITテクノロジーレビュー

 

感染した状態で中国から来た渡航者が、ドイツでのアウトブレイクならびにその後のイタリアでの感染拡大に関連するというものだった。略

ゲノムの探索は、封じ込め対策が失敗している場所を知るのに有効だ。各国が、1つだけでなく複数の経路でウイルスに直面していることも明らかになっている。そして最終的には、遺伝子データから、大流行の最初の発生源を突き止められる可能性がある。

新型コロナウイルスの遺伝子データは「ネクストストレイン(Nextstrain)」というWebサイトで追跡されている。ネクストストレインは、「病原体のゲノムデータの科学的・公衆衛生的な可能性を活用」するためのオープンソースの活動だ。科学者たちがすみやかにデータを投稿しているおかげで、アウトブレイクとしては初めて、ウイルスの進化と拡散がかなり詳細に、ほぼリアルタイムで追跡されている。略

新型コロナウイルスに対するワクチンがまだないことから、専門家は、感染者の発見や隔離といった積極的な公衆衛生対策が、ウイルスを食い止める最大のチャンスになると指摘する。

その際、ウイルスの系統樹が役に立つ。ウイルスの広がりを追跡し、封じ込めに成功している場所と失敗している場所を特定するのだ。略

遺伝子データによると、ミュンヘンの事例はヨーロッパ全体のアウトブレイクのかなりの部分に関連している可能性があり、そこにはイタリアの3000件以上の症例も含まれるという。略

ウイルス追跡チームは、そのような事態がまさに米国のワシントン州で起きたのではないかと考えている。ワシントン州では、最初の感染例が6週間近く前に発見された。しかし、2月に新たな症例のウイルスの遺伝子配列を解読したところ、最初の感染例に特徴的な変異との共通点が見られた。

つまり、2つの症例は関連しており、その間ずっと新型ウイルスが米国内で静かに広がっていたことになる。以降、ワシントン州では27人の感染と9人の死亡が報告されており、中には適切な診断がなされないまま早期に亡くなった事例も含まれている。

ワシントン州のアウトブレイク以降、米国疾病予防管理センター(CDC)がウイルス検査の対象を制限したことで、実質的に専門家がアウトブレイクに関与できない状態となっていることに対して批判が起きている。

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