https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170821-00010008-giz-prod
ヒトの遺伝子工学においては、アメリカより中国の方が進んでいます。でも今回、アメリカは初めてヒトの受精卵のゲノム編集に成功したとマサチューセッツ工科大学発行の科学技術誌MITテクノロジー・レビューが発したのです。受精卵のゲノム編集をおこなったのは、オレゴン健康科学大の研究チーム。遺伝子編集技術CRISPRを用いてDNAのゲノム編集を成功させました。
中国では過去2年間の間、HIVへの免疫をDNAに埋め込んだり、血液疾患に対応する遺伝子を編集したりと、すでに何件かの受精卵DNA編集の成功実績があります。他にもスウェーデンやイギリスでも受精卵のゲノム編集がおこなわれている最中です。
しかしながら、アメリカではゲノムの編集については倫理的観念から、堕胎、宗教、社会的不平等、そして安全の面と関連づけられて論争が続いています。そんな中、今年の春頃、疾患治癒などのための場合のみという条件付きで、アメリカの科学アカデミーによってゲノム編集が容認されました。成功するのも時間の問題とも言われていたのです。
オレゴン健康科学大学の実験では、編集後の受精卵は数日以上育てない、子宮に戻さないなどの倫理上の規則を設けていました。そして今回の実験によって、遺伝性疾患をいかに簡単に編集できるかが明らかになったのです。
遺伝子操作には、病気を遺伝子から取り除けるというのが利点です。しかし安全上の問題もありますし、望むように編集されたDNAを持つ人間は「デザイナー・ベイビー」で非倫理的だという避難もあります。現にアメリカでは、遺伝子編集された体外受精卵を赤ちゃんにするという臨床試験は議会で通っていません。またそれに関する研究費もブロックされているとのことです。
今の時点で、遺伝子を書き換えることが可能になってしまったわけですから、髪の色、目の色、知性なども親が選べる未来がきてしまうんでしょうか。なんだかSF映画の世界みたいですが、割と遠くない感じもしますね。