幸せの深呼吸

幸せは自分の中にある。
幸せは自分が決める。

感染、怖い菌のいろいろ

2013-05-28 | 医療、健康

TVでやっていて、ちょっと大げさなところもありますが、土いじりとかで耕して肺から入って発症するとかあったので、調べてみました。

感染力が強いそうです。特に土に住んでいるので、手袋をはめて作業をするように。免疫力の低下したかたは、吸い込んで発症することもあるので、弱っている時は、気を付けて。

昨日の訪問者、すごく多かったんですが、どうしてだったのでしょうか???

何かあった?

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8E%E3%82%AB%E3%83%AB%E3%82%B8%E3%82%A2%E7%97%87_(%E3%83%92%E3%83%88)

ノカルジア症 (ヒト)

百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
 

ノカルジア症( -しょう。英:Nocardiosis)はノカルジア属によるヒトの感染症。主に日和見感染を起こすが、健常者の感染もある。ヒトへの感染を起こす種としてはN. asteroidesN. brasiliensisなどがある。土壌中にすむノカルジア属を吸入することで肺感染症を、皮膚の傷口に入ることで皮膚感染症を起こす。

分類と症状

肺ノカルジア症:慢性の経過を取る。数ヶ月に及ぶ咳や発熱の症状で発症し、膿性痰、食欲不振、全身衰弱などの症状を呈する。肺炎肺膿瘍肺化膿症膿胸などを起こす。胸部X線像は肺結核に似た所見を呈する。

脳ノカルジア症:肺ノカルジア症から血行性に転移して発症する。頭痛、悪心、嘔吐、めまい、痙攣などの症状を呈する。脳膿瘍髄膜炎を起こすことがある。

皮膚ノカルジア症:皮膚の傷口から感染する原発性皮膚ノカルジア症と、肺ノカルジア症からの血行性散布によって発症する続発性皮膚ノカルジア症がある。化膿性肉芽腫症を呈する[1]

全身性ノカルジア症:全身に播種した末期的感染。

診断

確定診断は喀痰、気管吸引痰、肺胞洗浄液や脳脊髄液などの検体からノカルジアの菌を分離することである。ただし生育は他の菌に比べてきわめて遅く、培養に1-2週間かかることがある[2]。ノカルジアの菌体はグラム染色では陽性桿菌として認められる。抗酸菌染色でも染まることが判定の一助となる。

予後

治療すれば比較的予後はいいが、重篤な基礎疾患がある場合や播種型の場合は予後が悪い。

 

治療

サルファ剤ST合剤の単独またはミノサイクリンとの併用を数ヶ月から半年以上の長期にわたり内服する。

http://merckmanual.jp/mmpej/sec14/ch172/ch172f.html

ノカルジア症
 

ノカルジア症は急性あるいは慢性でしばしば播種性の化膿性または肉芽腫性感染症であり,ノカルジア属の様々な好気性土壌腐生菌に起因する。肺炎が典型的で,皮膚および中枢神経系の感染も一般的である。診断は培養および特殊染色により行う。治療には通常,スルホンアミド系を使用する。

放線菌科のいくつかのノカルジア種が人の疾患を引き起こす。最も多いヒト病原菌はNocardia asteroidesであり,通常肺感染症および播種性感染症を引き起こす。N. brasiliensisは,最も一般には皮膚感染症を引き起こす(特に熱帯気候において)。感染は吸入,または皮膚への直接接種による。ノカルジア症は世界中であらゆる年齢層の人に起こるが,発生率は高齢者(特に男性)で高い。人から人への伝播はまれである。リンパ網内系悪性腫瘍,臓器移植,高用量コルチコステロイドまたは他の免疫抑制療法,および肺の基礎疾患が素因であるが,患者の約1/2は基礎疾患をもたない。ノカルジア症はまた,進行HIV感染患者における日和見感染症でもある。その他のノカルジア種が,限局性またはときに全身性感染症を引き起こすことがある。

症状と徴候

ノカルジア症は通常,放線菌症に類似する亜急性肺感染症として始まるが,ノカルジアは局所性または血行性に広がる傾向が強い。膿瘍形成を伴う播種はあらゆる臓器を侵しうるが,最も一般的に侵されるのは脳,皮膚,腎臓,骨,または筋である。

肺病変の最も一般的な症状(咳,発熱,悪寒,胸痛,脱力,食欲不振,体重減少)は非特異的で,結核または化膿性肺炎症状に類似する。胸水も生じうる。症例の30〜50%において転移性脳膿瘍が生じ,通常激しい頭痛および局所神経異常を引き起こす。感染は急性,亜急性,慢性のいずれもありうる。

皮膚膿瘍または皮下膿瘍が,ときに原発性限局性播種の結果として高頻度に発生する。それらは硬い蜂巣炎,リンパ皮膚型症候群,または放線菌腫として現れることがある。リンパ皮膚型症候群は,原発性膿皮症病変と,スポロトリクム症に類似するリンパ小結節からなる。放線菌腫は小結節として始まり,化膿し,筋膜表面に沿って広がり,慢性瘻孔から排膿する。

 

診断

理学所見,X線検査,その他の画像検査により同定した限局性病変に由来する組織または培養において,ノカルジア種を同定することにより診断を行う。しばしばグラム陽性菌の数珠状分枝状微細線維の塊を認める(弱抗酸性のことがある)。ノカルジアイスラエル放線菌のような棍棒状の外観を示さない。

予後と治療

治療をしないと,肺性および播種性のノカルジア症は通常致死的である。適切な抗生物質で治療した患者においては,死亡率は播種性感染の免疫不全患者で最も高く(50%を超える),病変が肺に限局している免疫能正常患者で最も低い(約10%)。皮膚感染症患者の治癒率は通常95%を超える。

トリメトプリム-スルファメトキサゾールまたは高用量のスルホンアミド単独(スルファジアジンまたはスルフイソキサゾール)が使用される。ほとんどの症例は緩徐に反応するため,スルホンアミドの血中濃度を12〜15mg/dLに維持する用量(例,スルファジアジン4〜6g/日,経口)を数カ月継続しなければならない。スルホンアミド過敏性または難治性感染がある場合には,アミカシン,テトラサイクリン(特にミノサイクリン),イミペネム-シラスタチン,セフトリアキソン,セフォタキシム,またはシクロセリンが使用できる。in vitroの感受性試験成績に基づき適切な薬剤を選択する。

クリプトコッカス菌

鳩の糞から

http://www.kk-antec.co.jp/aboutbird/pigeon/cryptococcus.htm

 

クリプトコッカス症(Cryptpcoccosis)とは、カビ(真菌)の一種である Cryptococcus neoformans によって起こされる感染症のこと。

 

真菌とは?

カビのこと。きのこ、納豆に使う菌、醤油に使う菌、ブルーチーズなども真菌をもったもの。
自然界に普遍的に存在し、また健康な人に無害の寄生体として存在している真菌が、深在性ないしは全身性に感染症を引き起こすことが増加してきている。

症状は?

症状は、徐々に進行する全体倦怠感、疲労感や食欲不振などの非特異的なもの・発熱・頭痛、次いで、吐き気・嘔吐・意識障害が起こる。
脳に病変が及べば、視神経・動眼神経・外転神経などの脳神経麻痺。髄膜炎・脳炎までの症状がおこることもある。
クリプトコッカス性脳髄炎は、永続的な神経の障害を起こすことがあり、致命率は約12%。(注意※但し、HIV(ヒト免疫不全ウイルス)感染者の初期症状としてクリプトコッカス症が見られる。そのため、この致命率には、HIV感染者も含まれている。)
初めての感染(初感染)は、病原体の Cryptococcus neoformans を吸い込んで、肺で感染を引き起こす場合が多いが、肺での初感染は何の症状もないことが多い。免疫が抑制されている状態で、肺の病巣から体の他の部分に病原体が広がって感染を起こしたときに初めて症状がでることなる場合が多い。稀に皮膚・粘膜にも初発する。

発生は?

一般人口での患者発生は、10万人につき年間0.2-0.9人。
免疫力・体力の落ちた人たちがかかりやすい日和見(ひよりみ)感染の一つと考えられているが、免疫機能に異常のない人でも、頻度は少ないが発症することがあり得る。
HIV(ヒト免疫不全ウイルス)感染者、強力なステロイドの投与を受けている人、臓器移植を受けた人、慢性白血病、リンパ腫、サルコイドーシス、ホジキン病、癌の患者などでクリプトコッカス症症状が見られることがある。

事例は?

カナダのブリティッシュコロンビア州のバンクーバー島で2002年より過去3年間に52名のクリプトコッカス症患者が確認され、2002年には11名に達しており、うち1名は呼吸不全で死亡している。患者検体からは Cryptococcus neoformans が検出されている。同州疫病管理センターの疫学調査では、これまで40頭の周辺動物(犬、猫等のペット類並びに6頭のネズミイルカ)をはじめ、島内の公園にある腐敗したモミ、ハンノキ、ナラ等の木材からも同菌を検出している。

人間だけ?

人以外の動物がクリプトコッカス症になることがある。特に、ネコが知られている。この他、コアラが比較的かかりやすい。(例:多摩動物園のコアラのオス ビリーちゃんが平成13年夏にこの病気で残念ながら亡くなりました。)
クリプトコッカス症になった動物・人から他の動物・人へのクリプトコッカス症の感染は起こりにくいと考えられている。
鳥は、病原体の Cryptococcus neoformans を運ぶことはあっても、鳥自身はクリプトコッカス症にはならない。
これは体温が高いために病原体の Cryptococcus neoformans の増殖が難しいことによる。

診断は?

髄液・皮膚滲出物・喀痰などの直接鏡検で、5-20um、円形の酵母様細胞を証明する。自然条件では人から人への直接感染はないようである。

治療は?

アムホテリシンBなどの抗真菌剤が使われる。この他、ミコナゾール、フルコナゾールも用いられる。点滴静注又は髄膣内注入。腎障害に注意。治療は有効な薬が開発されている。また、肺クリプトコッカス症では自然治癒した例も報告されている。

病原体は?

病原体の Cryptococcus neoformans は、今から100年以上前の19世紀に、三人の学者が独立して発見された。
イタリアでは桃のジュースから Sanfelice,F.(1894年)が、ドイツでは患者の病変部から Busse,O.(1894年)と Buschke,A.(1895年)とが病原体の Cryptococcus neoformans を分離している。当時の患者の報告の多くは、ガン患者についてものである。
病原体の Cryptococcus neoformans には、二種類ある。
病原体の Cryptococcus neoformans は、世界中で通常鳥のフンに汚染された土から分離される。
Cryptococcus neoformans var.neoformans と Cryptococcus neoformans var.gattii は、熱帯及び亜熱帯のユーカリ樹から分離される。
病原体の Cryptococcus neoformans は、鳥のフンに含まれる窒素成分があると、大変よく増殖する。そのため、鳥のフンで汚染される場所つまり、鳥の活動範囲の土からよく病原体の Cryptococcus neofomans は、分離される。
乾燥すると、病原体の Cryptococcus neofomans は、細かい微粒子となり、少しの風で舞い上がる。鳥の活動範囲の空中から直径5ミクロン以下の病原体の Cryptococcus neofomans の細かい微粒子が検出されたという報告もある。

予防のためには?

免疫力・体力が落ちた人がかかりやすいので、免疫力・体力が落ちた人は、かからないように注意が必要です。
免疫力・体力が落ちた人に対して周囲の人は注意が必要です。
免疫力・体力が落ちた人たちが治療を受ける医療機関の周囲では、ハトにエサをあげるのはやめた方が良いです。
野生由来の動物の場合はいろいろな原因不明の病気を持っている可能性があるという認識を持ってください。
ペットや動物はとってもかわいく、スキンシップもしたいし、触りたいですね。
動物とキスをしたり、 口移しによる給餌、動物の食べ残りを食べることはやめないといけません。動物の排泄物(糞・尿)に直接触れないように、吸い込まないように、また動物と接した後は手洗いとうがいをするように心がけることが必要です。

 

アスペルギルス菌

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%82%B9%E3%83%9A%E3%83%AB%E3%82%AE%E3%83%AB%E3%82%B9%E7%97%87

アスペルギルス症(: aspergillosis)とはアスペルギルス属真菌を原因とする種々の真菌症疾病の総称で胞子の吸入と体内での増殖が原因の日和見感染症。アスペルギルス属の胞子は環境中に広く存在することから、ほとんどのヒトが毎日吸入しており、免疫に障害のあるヒトや家畜ではアスペルギルス症に進行する事がある。一般的な原因菌はアスペルギルス・フミガタス(Aspergillus fumigatus)であるが、 A.flavusA. nigerでも発生することがある。発症には、原因菌により生産されるマイコトキシンの一種のグリオトキシンが関与していると考えられる[1]

原因菌は病院内では観葉植物(鉢内の堆肥や土)、生花やドライフラワーの表面、花瓶の水、エアコンまたはヒーターの吹出し口、浮遊粉塵などから高頻度で検出される。特に、病院改築や改装の際、院内の空気中に増加することが報告されているが、この事は医療関係者の間でも周知されていない現状があるため、免疫力が落ちている者への予防が大切である。

ヒト臨床所見

最も一般的な型はアレルギー性気管支肺アスペルギルス症アスペルギルス腫侵襲性アスペルギルス症である。免疫力が低下している際に起こりやすいことから症状の進行は速く、全身に感染するため症状は多岐に渡る。治療が遅れた場合の致死性は高い。

  • 呼吸器系への感染では、血性痰、喘息肺炎副鼻腔炎など。
  • 血管内に進入した場合、口蓋または歯肉の潰瘍化、血栓や出血性壊死など。
  • 皮膚感染は手術創に発生することが殆どで、急速な組織壊死を起こす。
  • 中枢神経系感染は脳膿瘍を呈し、全身播種性感染の部分症である。副鼻腔からの直接感染は少ない。

診断

画像検査、組織病理検査(生検)、検体の染色および培養等による。

治療

アスペルギルス症の疑いがある場合には、確定診断を待たず適応菌種が広い抗真菌薬を投与する。病変部位が局所的な場合には、外科手術が行われる場合がある。

家畜

ウシに於いても、アスペルギルス症を発症することがある。

コクシジオイデス菌

土の中に生息、致死率100%

http://www.nih.go.jp/niid/ja/kansen/392-encyclopedia/401-coccidioidomycosis-intro.html

 

コクシジオイデス症とは

 

 人や物資の世界的規模の交流により、今まで我々に無縁と思われていた病原性の強い微生物による「輸入感染症」の危険性が高まっている。微生物感染 の中で皮膚糸状菌症以外の真菌症はヒトからヒト、動物からヒトへの直接感染は否定されており、この「輸入感染症」の対象から外されていた。しかし、真菌症 でもコクシジオイデス症(coccidioidomycosis )の病原性はペストに相当し、極めて強い。本症は4 類感染症全数把握疾患に指定された唯一の真菌症である。

 

疫 学

 

 コクシジオイデス症は米国西南部(カリフォルニア、アリゾナ、テキサス、ネバダ、ユタの諸州)、メキシコ西部、アルゼンチンのパンパ地域、ベネズエラのファルコン州の半乾燥地域の風土病で、渓谷熱(valley fever)、砂漠リューマチ(desert rheumatism)あるいは砂漠熱(desert fever)とも呼ばれている。これら半乾燥地帯の限られた地域の土壌中に原因真菌であるCoccidioides immitis Rixford et Glichrist 1896(コクシジオイデス・イミチス)が生息し、その分節型分生子は強風や土木工事などで空中に舞い上がり、これら分生子を吸入することにより肺に感染 を起こす。毎年多数発生する患者の約0.5%は全身感染に波及し、その半数が致死的となる。C. immitis の病原性はペスト菌に相当する。本症が日本で発症した場合、菌の同定には特別な注意が必要である。本菌は菌糸状発育しているシャーレの蓋を不用意に開けた だけで、分生子が空中に舞い上がり室内を汚染する。患者と直接接触する医師や看護師より、患者の検体から培養された真菌を取り扱う検査技師や研究者に二次 感染の危険がある。米国では過去に200名近い研究者および臨床検査技師が感染を経験しており、死亡例も少なくない。
 本邦では2002年9月までに31例が報告されており、カリフォルニア州やアリゾナ州への海外渡航歴を有するものが大部分ではあるが、2例は渡航歴のな い綿花を扱う工場の従業員で、輸入された綿花に付着した原因菌を吸入したことにより感染したと考えられる。

 

病原体
1. 原因菌
 C. immitis は、取り扱い上最も危険な真菌である。本菌の有性世代は不明である。普通の培地上では菌糸形を、生体内及び特殊な培養法で培養すると内生胞子(endospore )で満たされた球状体(spherule)を形成する。集落の形態は初め無毛で灰白色、次第に白色綿毛状となる。しかしながら淡褐色を呈する菌株もかなり多く、粉状になるものもある。発育は速く、27 ℃より37 ℃の方がよい。顕微鏡的には、菌糸は培養するにつれ菌糸内に多数の隔壁ができ、細胞質が消失した解離細胞(disjunctor cell)と分節型分生子が交互に連なる状態になる。分節型分生子は矩形から樽型(2.5 〜3×4 〜6 μm)である。自然界では条件が違うと分節型分生子が発芽し、菌糸となる。

 

2. 病態生理
 吸入により生体内に入ったC. immitis の分節型分生子は球状に腫大し、球状体となる。初期の球状体は内外の2層に分かれる。外層は細胞質より成り、内層は多糖体様物質で満たされているが、発育 するにつれ消失する。球状体の腫大とともに細胞質膜、次いで細胞壁が中心に向かって折れ込むように発達し、以後球状体の発達とともに連続的に分葉し、細胞 質を無数の小室に分けていく。

 

続いて個々の小室内にいくつかの内生胞子が現れ、内生胞子の成熟とともに周囲の組織は融解し、最後には無数の内生胞子(2 〜5 μm)が充満した球状体(40〜2,000 μm )が形成される。やがて球体内の壁の一部が破れ、内生胞子は組織中に放出される(写真1)。これら内生胞子は腫大して球状体となり、同じサイクルを繰り返す。なお、感染した分節型分生子が成熟した球状体となり、内生胞子が組織中に放出されるまでの期間は約5日である。

写真1. マウス肝臓における C.immitis :球状体から放出された内生胞子

 

臨床症状

 

1. 原発性肺コクシジオイデス症 primary pulmonary coccidioidomycosis
 ほとんど無症状であるが、約40%において、軽いカゼに似た症状を示す。汚染地域の住民のほとんどは短期間に自然治癒する。特徴的なこととして、約10%の患者(女性に多い)の下腿に紅斑を伴う結節(結節性紅斑 erythema nodosum )が見られる。

 

2. 原発性皮膚コクシジオイデス症 primary cutaneous coccidioidomysosis
 極く稀に皮膚に初発病巣が生じる。刺傷あるいは外傷により感染し、発症する。潰瘍を形成し、花キャベツ状の腫瘤となる。

 

3. 良性残留性コクシジオイデス症 benign residual coccidioidomycosis
 症状がみられた原発性コクシジオイデス症の2〜8%の患者の肺に、結核に似た空洞が形成される。空洞壁は薄く嚢腫状を呈し、液を貯留していることもある。炎症反応はほとんどない。病巣はそれ以上進行せず、感染の恐れもない。自覚症状はほとんどなく、X 線撮影によってのみ見いだされる。別名コクシジオイドーマ(コクシジオイデス腫coccidioidoma )と呼ばれることもある。

4. 播種性コクシジオイデス症 disseminated coccidioidomycosis

 別名コクシジオイデス肉芽腫coccidioidal granuloma 。進行性あるいは2次性コクシジオイデス症progressive or secondary coccidioidomycosis ともいわれている。肺の初感染病巣が進行し、血行性に全身に散布する。原発性肺コクシジオイデス症の患者の約0.5%に発生し、そのうち約半数が死の転帰 をとる。免疫不全の患者に起こることが多い。皮膚、皮下組織、骨、関節、肝、腎、およびリンパ組織が侵される。なお、急性の場合、髄膜炎 (coccidioidal meningitis)を併発することが多い。

 

病原診断

 

1. C.immitis の分離同定
 当然のことながら、本菌の分離同定作業は隔離された安全キャビネット内で行われなければならない。本菌の同定の決め手は(1)37 ℃における旺盛な発育、(2 )培地上での分節型分生子の形成、(3)特殊培養あるいは動物実験による球状体の確認である。
 C. immitis の旺盛な発育を観察するには、通常使用されている真菌および細菌用培地が用いられる。汚染菌を防ぐ目的で添加されるクロラムフェニコールやシクロヘキシミ ド(cycloheximid)によって発育は阻害されない。通常サブロー・ブドウ糖寒天培地が使用されている。慎重に菌を培地中央部に接種し、シャーレ の蓋と本体をビニールテープで密封し、さらに透明プラスチック容器に入れて孵卵器に入れて観察する。37 ℃で7 日後に直径40mm 以上の集落となる。
 分節型分生子は、1%の割合でブドウ糖を添加したブレインハートインフュージョン斜面寒天培地に菌を接種し、37 ℃で培養すると10 日前後で形成される。観察法は試験管を顕微鏡の鏡台に横たえ、管壁越しに行う。分節型分生子は僅かな空気の動きでも飛散するので、斜面培地の蓋をとっては ならない。通常の真菌で用いられている乗せガラス培養法(slide culture)は大変危険なので、行ってはならない。DNA 抽出も斜面培地の栓より70%エタノールや10%ホルマリンなどの固定液を注射筒で注入し、完全に固定されるまで(1 週間以上)注射筒はそのままにし、その後実験に用いる。
 球状体の観察は、培地の調整および培養法(炭酸ガス培養、振盪培養装置)が煩雑であること、一般の施設での動物実験は許可されていないことなどから、特定の研究機関に依頼されることを推奨したい。なお、女性ホルモンはC. immitis の成長を促進するため、妊婦は本菌を扱ってはならない。

 

2. 病理組織学的診断
 組織内でC. immitis は、内生胞子を内蔵した球状体、および球状体から放出された内生胞子、各種発達段階にある球状体として観察される。染色はPAS およびGMS を推奨する。病理学的特徴は肉芽腫性炎症と化膿性炎症の混じり合った像であるが、どちらが主になるかは病型および菌の寄生形態に左右される。肺の初感染巣 は主に肉芽腫炎症像を示すが、急性全身感染の場合は化膿性炎症像が強くなる。また、球状体の発育段階によっても組織反応は異なってくる。
 激しい限局した化膿性炎症像は、球状体から内生胞子が組織内に放出された時に起こり、これら内生胞子が成熟した球状体に変わっていくにつれ、病巣は肉芽腫性へと変わっていく。

3. 免疫学的診断

 免疫反応用抗原としてコクシジオイジン(coccidioidin)およびスフェルリン(Spherulin)が開発されている。これらの抗原は遅延型皮膚反応の検出に用いられる。また、ベータ‐1,3 ‐グルカン(β‐1,3‐glucan)を検出するキットもコクシジオイデス症に反応するといわれている。
 一方、コクシジオイデス症における血清抗体も種々の方法で検出されている。沈降抗体は通常感染1週間から3週間の間に出現する。これは試験管内沈降試 験、二重拡散法、あるいは免疫電気泳動法で検出可能である。補体結合反応も感染7日以降より陽性となり、病状の悪化とともにその抗体価は上昇し、病状の好 転とともに低下していく。また、ラテックス凝集反応も行われ、この価は試験管内沈降反応の結果と良く一致する。
 本症の血清学的診断法としては、補体結合反応と二重拡散法の併用が優れている。二重拡散法の代わりに免疫電気泳動法を用いても良い。なお、中枢神経系のコクシジオイデス症の場合、血清の代わりに脳脊髄液中の抗%C

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