河野澄子さんの死亡が報道されていた。
松本サリン事件でガスを吸い込み「無酸素脳症」で寝たきりになってしまった被害者だ。 悔しかっただろうな! 可愛そうでならない! 安らかに・・・
この事件では、2冊の本を読んでいたので、感慨ひとしおだ。
当時、 ”松本の有毒ガス集団中毒は、第一報告者の会社員? 自宅を捜査し薬品を押収” とマスコミが書きたて、夫である河野義行さんが犯人とされてしまった。 後に冤罪であることが判明したが、誤認捜査と誤報の実態を忘れて欲しくないとの思いで書いた本、「疑惑」は晴れようとも・・・松本サリン事件とされた私・・・文芸春秋1955年出版 と 澄子さんの回復を信じ続ける家族の介護と愛の闘いの日々を綴った、妻よ! わが愛と希望と闘いの日々 潮出版1998年出版を読んで善良な一市民が、ある日突然、犯人となってしまう過程と、その後の家族の介護の努力を知ったからである。
河野さんは冤罪防止を訴える講演を年100回以上こなし、松本にいる日は欠かさず、澄子さんに一日の出来事を聞かせ、化粧水をつけ、マッサージしてあげることを14年間していた。(テレビでその様子と澄子さんが涙をながす場面が昨日も流れました) 会見で「我が家にとって、松本サリン事件は妻が治るか、亡くなる時に事件が終わった日になる」と話したそうである。・・・・長い、ナガーーイ、言い尽くせないご苦労が、やっと終わったのですネ!
光を見ることも、しゃべることも、体を動かすこともできない、ただベットで泣くことだけが、唯一、表現できる澄子さんに、・・・必ず一緒に食事をしたり、旅をしたり、コンサートに行ったり、そしてあの頃のようにけんかもしような・・・と語りかけながら介護を続けた河野さん。 家族にとっての事件は終わりましたが、貴重な体験は多くの人たちに語っていくべきだと思います。 特に 妻よ! での介護の苦労(本人は思っていないと思いますが)等、介護や障害者の人々に語ってください。 そして活躍してください。