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世界を震撼させた史上最強の大予言者 ノストラダムス (1503~1566年) フランス

2017-07-03 10:12:28 | Weblog

 「ノストラダムスの大予言」---今の三十代以上には懐かしくすら響く言葉だろう。
1970年代、日本ではこれが「1999年の世界滅亡を予言するもの」として紹介された。
「世界の滅亡」と云うその恐るべき表現の為に、世紀末には異様な盛り上がりを見せたものの、特に何事もなく21世紀を迎えると、ノストラダムスの名は一転して一種のペテン師の意味を持つまでに貶められてしまった。しかし、これはノストラダムスの責任ではない。単に、日本での紹介がセンセーショナリズムに陥り、不正確な情報が広がった為に起こった不幸な事態なのだ。詳細且つ学術的なノストラダムス研究が進んでいるヨーロッパでは、誰もこれを「世界滅亡の予言」とは考えていなかった。
実際、『百詩篇』に代表されるノストラダムスの予言詩には、西暦3000年代を語るものもあるのだから、当然のことである。
 
 ノストラダムスとは、いったいどんな人物だったのだろうか。
本名はミシェル・ド・ノートルダム。
1503年、フランスのプロヴァンスに生まれ、1566年に六十三歳でこの世を去ったノストラダムスは、前半生を医者として、後半生を王侯貴族を顧客とする占星術師、そして予言者として過ごした。
 医者としての最大の功績は、1546年に南仏で起きたペストの流行を収めたことだろう。当時はまだ、ペストがネズミが媒体する感染症であることは知られていなかった。だが、ノストラダムスはネズミの駆除やアルコール殺菌、死体の火葬など、現代の防疫学上有効な手段を取り、その流行を終わらせたのだ。「時代を超えた」としか謂い様のない知識を、ノストラダムスが何処から得たのかは分らない。因って、これも単なる伝説だとする見方もあるが、彼が現地に赴いた後にペストの流行が収まったのは紛れもない事実なのである。

 そして、彼の予言者としての実績は、それこそ枚挙に暇が無い。占星術やユダヤの神秘思想のカバラを駆使し、更に自らのインスピレーションから得た未来のヴィジョンは詩の形で発表され、生前からすでに「大予言者」としての名声を博していた。
 たとえば、1559年にフランス国王アンリ2世が、馬上槍試合で目を刺されて命を落すことを、その4年前に予知し、詩の中で知らせている。また、第227代のローマ教皇シクストゥス5世がまだ一介の修道士であった時、ノストラダムスは彼の顔を見るなり拝礼し、「この方は将来の教皇である」と宣言したと云う逸話も有名だ。また、ナポレオン及びナポレオン3世の即位と没落の様子や、ヒトラーが出現して第三帝国がヨーロッパを蹂躪する様子を事細かに記してもいる。だが、先述の通り、彼の予言は詩の形態をとり、神秘的且つ象徴的な言葉を多用している。

 ノストラダムスは自らの予言が悪用されることを恐れ、わざと難解な言い回しを多用したと考えられ、読み解くには、相応の知識と直感力が必要だ。それ故に、中途半端な読み手では真意を正しく汲むことができず「ノストラダムスの予言はインチキだ」との結論を下してしまう。過去の偉人の業績を活用する為にも、正しい研究が進むことを祈るばかりだ。

                                                     (画像・ノストラダムス、ノストラダムスが記した「百詩篇」)




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