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Mayumiの日々綴る暮らしと歴史の話

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お市の方(1547頃~1583)兄を助けた為に自身の不幸を招いた戦国一の美女

2018-03-22 04:02:19 | Weblog

戦国時代、過酷な運命に翻弄されながらも懸命に生き様とした、織田信長の妹お市の方は、絶世の美女としても知られている。
彼女の人生は、最初の夫朝井長政の死と落城、兄信長の暗殺と云った不幸が続く中、遂には、再婚した柴田勝家と共に、落城に因る最期を迎えたのだった。
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「浅井長政との幸福な結婚生活」
戦国一の美女として知られるお市の方は、尾張の武将織田信秀の娘である。父信秀は、尾張で頭角を現した武将だったが、お市が僅か四歳の時に没し、その跡を兄の信長が継いだ。
お市は現存する肖像画からも分る通り、目鼻立ちがキリリとした美人で、信長自慢の妹だった。
織田家は代々美形の家系で、兄信長も細面で眉目秀麗、姉のお犬もかなりの美人だったと言う。
ただ、この時代は姫が美人かどうかと云うことは、あまり意味がないことだった。
大名同士の結婚はすべて家同士の思惑で決まり、お市も浅井家との同盟の為に、一五六七(永禄十)年、近江(滋賀)小谷城主の浅井長政の下へ輿入れした。だが、そこは人間である。美男美女の夫婦雛の様なこの二人は、直ぐに心を通わせた。彼らは仲睦まじい夫婦となり、やがて二男三女の子どもを儲ける。
しかし、一五七〇(永禄十三)年、お市は、越前の朝倉氏を攻めた兄の信長を、夫の長政が背後から襲おうとしていることを知る。
浅井氏は朝倉氏と親交が深かった為、結局は朝倉氏の味方に着いたのだ。
このままでは兄が挟み撃ちされてしまうことを知ったお市は苦悩するが、陣中見舞いと称し、小豆を詰めて両端を縛った袋を兄の陣に送った。
才気煥発な信長は、自分が挟み撃ちにされる危難を直ぐに理解し、その場を脱して難を逃れた。それは、お市が個人的に兄を助けたと云うわけではなく、実家の手助けをすることは、戦国時代の女性の役目でもあったのだ。
だが、それは結果的にはお市自身の不幸を招くことになる。
姉川の合戦を経た一五七三(天正元)年には、浅井氏の小谷城に織田勢が攻め込み、長政は切腹して果てた。
お市は落城前、投じの慣習に従ってお茶々、お初、お江の三人の娘と共に城を出たのだった。
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「柴田勝家との再婚」
実家に帰されたお市は、夫や息子の死に耐えながらも、兄の庇護の下で、
三人の娘と共に静かな生活を送っていた。
だが、一五八二(天正十)年、兄信長が暗殺されたことから、彼女の運命はまた転変する。

後継者となる信長の次男信雄(のぶかつ)が暗愚な為、賢い三男信孝を推す者が現れた。お市も信孝と親しくしていたのだろう、その仲介で、織田家重臣であり信孝派の柴田勝家に嫁ぐことになる。
お市三十六歳に対し、勝家は六十歳。
信孝と勝家の連携を深める為の政略結婚だったが、お市にとっても兄を失った今、娘たちの後ろ盾になってくれる人物が必要だったのだ。
そしてお市は、娘三人を連れて、勝家の本拠地、越前(福井)の北ノ庄へと向かった。

ところが、ようやく平穏な日々が訪れると思ったのも束の間、翌年には、
織田家の跡目に信長の嫡孫で幼い三法師(織田秀信)を擁していた羽柴秀吉(後の豊臣秀吉)が攻めて来た。

北ノ庄城の落城に際し、秀吉はお市と三人の娘を保護すると、使いを寄こした。だが、城を脱出する様に命じる勝家に対し、お市は運命を共にすると答える。
落城の折には、妻と娘は実家に帰るのが慣習である。
しかし、お市にはもう実家はない。
二度も落城の憂き目を見たことから、この世の無常を感じていたのだ。
そして、娘たちを落ち延びさせてから、勝家と共に、その激動の生涯を終えた。だが、長女のお茶々(後の淀殿)も後に、人生三度目の落城で最期を迎えることになろうとは、この時お市の方は夢にも思っていなかったに違いない。

              

                        世界の「美女と悪女」がよくわかる本

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