Mayumiの日々綴る暮らしと歴史の話

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◆空飛ぶ道具で叱られた 表具師の飛行機

2023-06-07 15:37:34 | Weblog


はばたき飛行する機械をオー二ソプターという。 ダ・ヴィンチによる概念図。


19世紀初頭に描かれたオー二ソプター。
チュニック(お尻が隠れる丈から膝辺りまでの丈の長さのトップスのこと)に翼をつけている。


備前の国岡山(岡山県)に表具師幸吉という者がいた。
鳩を捕まえてきて、その体重、羽の重さ、長さを計り、自分の体重と比較検討し、
自分で翼をこしらえ、カラクリを設置して、胸の前で操って羽ばたき、飛行することを考えた。
地べたから直ぐに揚がることはできぬ為、家屋の上から羽ばたいて飛んだ。
郊外を飛行していたが、野原で人々が宴をはっているのを見かけ、
誰か顔見知りの人でもいるかと近づいたが、地上近くになると風力が弱まり、思わず墜落。
地上の男女は驚き叫んで逃げ散って行った。
後に残された酒肴を、幸吉はたらふく飲み喰いして、再び飛び去ろうとしたが、
地上から上昇することができず、そのまま翼を畳んで歩いて帰宅した。
この件がバレて、幸吉は町奉行所に召喚され、人のせぬことを試みるとは、
慰みにもせよ怪しからぬ、というので翼は没収され、所払いとなった。

笑い話のタネではあるが、珍しい出来事なので、ここに記録する。
寛政(1789~1801)以前のことであった。


                   (『筆のすさび』 巻四)
   


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                   江戸時代 怪奇事件ファイル







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