一事起則一害生。
故天下常以無事為福。
読前人詩云、勧君莫話封候事、一将功成万骨枯。
又云、天下常令万事平、匣中不惜千年死。
雖有雄心猛気、不覚化為氷霰矣。
故天下常以無事為福。
読前人詩云、勧君莫話封候事、一将功成万骨枯。
又云、天下常令万事平、匣中不惜千年死。
雖有雄心猛気、不覚化為氷霰矣。
一事起らば則ち一害生ず。
故に天下は、常に無事なるを以て福と為す。
前人の詩を読むに、云う、
「君に勧む、封候の事を語ること莫れ、一将功成りて万骨枯る」と。
又た云う、
「天下常に万事をして平らかならしめば、匣中に千年死するを惜しまず」と。
雄心猛気有りと雖も、覚えず化して氷霰と為る
「無事の徳」
何か一つの出来事が起こると、必ず一つの弊害が生ずる。
だからこの世の中は、いつも何の出来事も起こらないことを幸いとする。
前人の詩を読んでみると、
「君に勧めるが、どうか立身出世の話はしないでくれと。
何故なら、一人の将軍が功名を立てた陰に、幾万という兵隊たちが犠牲となり、
その骨が戦場で枯れ朽ちるのだから」と言っている。
故に天下は、常に無事なるを以て福と為す。
前人の詩を読むに、云う、
「君に勧む、封候の事を語ること莫れ、一将功成りて万骨枯る」と。
又た云う、
「天下常に万事をして平らかならしめば、匣中に千年死するを惜しまず」と。
雄心猛気有りと雖も、覚えず化して氷霰と為る
「無事の徳」
何か一つの出来事が起こると、必ず一つの弊害が生ずる。
だからこの世の中は、いつも何の出来事も起こらないことを幸いとする。
前人の詩を読んでみると、
「君に勧めるが、どうか立身出世の話はしないでくれと。
何故なら、一人の将軍が功名を立てた陰に、幾万という兵隊たちが犠牲となり、
その骨が戦場で枯れ朽ちるのだから」と言っている。
また別の詩には「世の中、いつも全ての面で無事太平にさせることができたなら、
私(武器)は、箱の中で千年もの間ちっとも使われずに赤錆がついたとしても、
少しも苦にならない」と言っている。
これらの詩を読むと、たとえ雄々しい心や勇猛の気象があったとしても、
それも氷や霰が日に溶けてしまうように、知らないうちに変わってしまう。
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私(武器)は、箱の中で千年もの間ちっとも使われずに赤錆がついたとしても、
少しも苦にならない」と言っている。
これらの詩を読むと、たとえ雄々しい心や勇猛の気象があったとしても、
それも氷や霰が日に溶けてしまうように、知らないうちに変わってしまう。
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