スーザンに初めて会ったのは、2011年の2月だ。
夫の叔母が、ギャラリーでおもしろい絵を見つけたと言って
その作品を作ったアーティストが書いた本を買ってきて、見せてくれた。
それが私がコラージュという技法を知った最初で、それを書いたのがスーザンだった。
実物を見たくてギャラリーに行くと、そこにワークショップの案内が置いてあり、私は迷わず申し込んだ。
ホオマルヒアという植物園の中のワークショップ会場には、既に10人以上の人が集まっていた。
もちろん知っている人などいない。
日本人は私だけで、それぞれに知り合いらしい彼らは楽しそうに歓談していた。
転校生のような気分で立っている私を見つけたスーザンは、両手を広げて言ったのだ。
「私、あなたが誰か知ってるわ!」
知っているはずなどない。私はスーザンの顔すら知らないのだ。
でもスーザンは満面の笑顔で両手を広げたまま近づいてきて、私を抱きしめた。
私はそれが嬉しくて、一気に緊張が解けた。
あれから6年。
今まで使ってきた、どの技法よりも難しいコラージュに魅せられた私は、ひたすらコラージュに取り組み続けてきた。
それを支えてくれたのはスーザンであり、他のコラージュ仲間だ。
行き詰った時、スーザンがくれる一言で突破口が開けた。
ひと月に2回、植物園の教室に集まって作品を見せ合い、指導を仰いだ。
スーザンは太陽のように、まわりを照らす。
明るくて、気が強くて、楽しいスーザンは、みんなをハッピーな気持ちにするのが得意だ。
そして何より、芸術を愛した。
油絵画家であり、陶芸家でもあり、コラージュ作家でもあるスーザンは、実際すばらしいアーティストだ。
今年の2月、コラージュに使う紙を染めるワークショップをやる予定が、スーザンが体調を崩して延期になった。
1月のワークショップの時には元気だったが、首に痛みがあるといって検査をした結果、背骨にガンが見つかった。
私は毎日、スーザンに奇跡が起こることを祈り続けたのに、
昨日、スーザンは眠るように逝ってしまった。
スーザンがいなくなって、気づいた。
スーザンに褒められたくて、私は作品を創っていた。
「私、これ大好き!!」
その一言が聞きたくて。
私がコラージュを売るようになったとき、
「もう独り立ちね、あなたを誇りに思うわ」
と言ってくれたけれど、私はずっと生徒のままでいたかった。
きっと奇跡が起こって、また作品を見てもらえると、私のどこかでは能天気に信じていた。
涙も出ない。
悲しみも寂しさもない。ただポッカリあいた穴に、風がひゅうひゅうと吹いている。
ありがとう。
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夫の叔母が、ギャラリーでおもしろい絵を見つけたと言って
その作品を作ったアーティストが書いた本を買ってきて、見せてくれた。
それが私がコラージュという技法を知った最初で、それを書いたのがスーザンだった。
実物を見たくてギャラリーに行くと、そこにワークショップの案内が置いてあり、私は迷わず申し込んだ。
ホオマルヒアという植物園の中のワークショップ会場には、既に10人以上の人が集まっていた。
もちろん知っている人などいない。
日本人は私だけで、それぞれに知り合いらしい彼らは楽しそうに歓談していた。
転校生のような気分で立っている私を見つけたスーザンは、両手を広げて言ったのだ。
「私、あなたが誰か知ってるわ!」
知っているはずなどない。私はスーザンの顔すら知らないのだ。
でもスーザンは満面の笑顔で両手を広げたまま近づいてきて、私を抱きしめた。
私はそれが嬉しくて、一気に緊張が解けた。
あれから6年。
今まで使ってきた、どの技法よりも難しいコラージュに魅せられた私は、ひたすらコラージュに取り組み続けてきた。
それを支えてくれたのはスーザンであり、他のコラージュ仲間だ。
行き詰った時、スーザンがくれる一言で突破口が開けた。
ひと月に2回、植物園の教室に集まって作品を見せ合い、指導を仰いだ。
スーザンは太陽のように、まわりを照らす。
明るくて、気が強くて、楽しいスーザンは、みんなをハッピーな気持ちにするのが得意だ。
そして何より、芸術を愛した。
油絵画家であり、陶芸家でもあり、コラージュ作家でもあるスーザンは、実際すばらしいアーティストだ。
今年の2月、コラージュに使う紙を染めるワークショップをやる予定が、スーザンが体調を崩して延期になった。
1月のワークショップの時には元気だったが、首に痛みがあるといって検査をした結果、背骨にガンが見つかった。
私は毎日、スーザンに奇跡が起こることを祈り続けたのに、
昨日、スーザンは眠るように逝ってしまった。
スーザンがいなくなって、気づいた。
スーザンに褒められたくて、私は作品を創っていた。
「私、これ大好き!!」
その一言が聞きたくて。
私がコラージュを売るようになったとき、
「もう独り立ちね、あなたを誇りに思うわ」
と言ってくれたけれど、私はずっと生徒のままでいたかった。
きっと奇跡が起こって、また作品を見てもらえると、私のどこかでは能天気に信じていた。
涙も出ない。
悲しみも寂しさもない。ただポッカリあいた穴に、風がひゅうひゅうと吹いている。
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