職場の男子トイレの個室のひとつが壊れた。
すぐには修理というわけにもいかないので、
『Out of order ~Mahalo~』
と紙に書いてドアに貼った。
ようやく最近、ぽつぽつと姿を見るようになった日本からのお客様の中には、
意味を理解できなくてドアを開けてしまう方もいる。
そこで、英語の下に日本語で書いておくことにした。
こんなときこそ私の出番、朝飯前よ。
故障中、と書けばいいよね。
しかし、故障と書いたあとで、手が止まった。
コショウのショウは、こんな字だったか?
障 の字をじっくり眺めていたら、突然ゲシュタルト崩壊が起きた。
障
コザトヘンは合ってると思うけど、章って、こういう字だった?
そもそも、この組み合わせで合ってる?
眺めれば眺めるほど、確信がもてなくなってくる。
漢字を書く時、勢いで書けばいいものを、ゆっくり書いていると崩壊が起こる。
日本語を書かなくなった今、それは以前よりも簡単に起こる。
読むと書くでは大違い。
同僚が早速見つけた。
「日本語で書いたの?すごい!私には記号にしか見えないけど、こんなのが書けるなんていいねえ」
いやなに、それほどでも。
こっそり携帯電話で故障中の字を確認したとは誰にも言えまいよ・・・・
あたしか同僚に聞けるけど
聞ける相手が居ないもんね
でも、できる女と思われる素晴らしさよ(笑)
それでも日本人としてのプライドってもんがあるじゃん。
本は読んでいても、メールは打っても、自分の手で書かないとダメね。
メールだといくつかの単語が自動的に出て来てくれるけど、私の頭にはそういう機能はないからね・・・