契約しているうちの一つのギャラリーにいるラティーシャが、先々週、私のオリジナル作品を3つ売った。
「壁がスキスキになってるー、なにか持ってこれるのある?」
ギャラリーには私専用のスペースがあり、7~8枚のオリジナル作品が壁にかかっているのだが、1度に売れるのは1つであることが多いから、売れたら新しい何かを創って補充している。
それが1度に3つとなると、嬉しいけど困る。困るけど嬉しい。
手元にあるオリジナルはほぼ売りつくして、どうしても手放したくないものばかり。
コラージュは、筆で描く技法とは全然違い、ものすごく手間がかかる。
一概にはいえないが、最短でも50時間はかかる。
その上、私にはフルタイムの仕事もある。
しかし、取り掛からねば何も進まないので、とにかく急ピッチで作成したのが、リリコイ。

Lilikoi
リリコイはパッションフルーツのこと。
日本ではクレマチス。母はこの花のことを時計草と呼んだ。
最近、この楕円形のキャンバスが気に入っている。
縦が50センチぐらい。
大きすぎず小さすぎず、フレームにいれる必要もない。
2週間余りで仕上げられたのは、このモチーフは以前、縦に細長いキャンバスで制作したことがあったから。
気に入ったモチーフを繰り返し作るのは好きだ。
作るたびに改善されて仕上がりが良くなっていくし、発見もある。
ギャラリーにはこれと、手元にあった古い蓮と鯉の作品をきれいに手直ししたのを持って行った。
2024年のアート関係の確定申告を済ませたら、昨年は1万ドル以上の売り上げだった。
始めた当初は確か500ドルぐらい。
ギャラリーも増え、俄然忙しくなった。
フルタイムの仕事も忙しくなった。
アートに専念できたらもっとオリジナルも造れるし、気持ち的にもゆとりができるのに、と思うと、
忙しい合間を縫うからできるのであって、毎日時間があったら私はダラダラしてやらない、という思いがせり上がってくる。
亡き父が仕事をリタイアした途端、絵筆を握らなくなったように。
フルタイムの仕事の日数を減らすという方法もあるが、2年前にマネージャーになってから、仕事をしない日が増えると、いない間に起きたことの把握が難しくなり、今以上は減らしたくないと思う。
アートも、フルタイムの仕事も、私は好きなのだ。
どちらも楽しいと思う。
楽しいと思ううちは、なんとか時間をやりくりして続けていきたい。