マネージャー仲間のKと一緒に働く最後の日。
早番だった私は、4時半に仕事が終わる。
朝からずっといつも通りで、私がタイムカードを押したときも、Kは冗談など言って笑っていたのに、
「これで最後だね」
と私が言ったら、直前まで笑っていたKの目から、ボロボロと涙があふれた。
「シロ・・・」
Kは私をハグし、
「ほんとにいろいろありがとう」
と言って泣いた。
「それは私のセリフ、大好きだよK」
私ももらい泣き。
今まで何人も見送ってきたけれど、これほどさみしく思うのは初めてだ。
Kは私よりも若いが職場では2年ほど先輩で、これでファミリーメンバー以外では私が1番長くここで働いていることになる。
歯に衣着せぬ物言いで、竹を割ったような性格のKは、私がマネージャーになる前から、常に私にはよくしてくれた。
私はそれに甘え、これがずっと続くと思ってきたのに。
新しいマネージャーが増え、私は嫌でも上に立たねばならなくなり、しょぼくれてなんかいられない。
昔、地方のテレビ局の美術部で働いていたとき、私は二十歳で、世間知らずのどうしようもない若者だった。
当時、美術部はチーフが一人、先輩の美術部員が一人、そして私の3人。
その先輩が体調を壊し、入院することになり、急遽、チーフと私だけになってしまった。
数年後に私が退職するときに、チーフがしみじみ言った。
「あの時、おまえさんだけになっちゃって、こりゃ困ったと思ったけど、急に人が変わったようにしっかりやってくれて、あれはほんとにびっくりした」
私の態度は相当に悪かったらしく、チーフは私の親に話そうと真剣に考えたことがあったそうだ。(どんだけ悪かったんだ)
私はいつ先輩が戻ってきても大丈夫なように頑張っていたのに、とうとう先輩は仕事に戻ることなく、亡くなってしまった。
私はどうやら、頼れる相手がいるうちはダラダラしているが、いざ後ろ盾がなくなれば、さっさと腹をくくって適応していく性格。
まあ、時と場合によるけども。
スケジュールが変わる。
今まで週に4日だけ働いていたのが、第1週は4日、第2週は5日になる。
1日休みが減るけれど、その代わり、毎第1週は3連休になり、悪くない。
アメリカは週給制で、夫は毎週給料日があり、私の職場は2週間に1度。
さあ、もう前を向いて行こう。
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