南納が少年たちと一緒に出て行くのと同時に、無宇が部屋に入ってきた。
アレ ? って顔をしてる。ひょっとして、行きたかったのかな。
少し寂しそうに見えるのは気のせいかな ?
取材は少年たちに任せて、こちらは別の依頼に取り掛かることにしよう。
ふみさん探し以来、御近所さんとの交流も多少広がった。
ちょっとした困りごとも引き受け始めた。
「猫のいるナントカ相談所」と言う呼び名まで登場した。
それは違うと思いながらも ご近所さんが親しみを込めて呼んでくれるのはありがたい。
依頼の大半は手続き書類の書き方を教えてほしいというもの。
パソコンで情報を取れるものは事務所内で処理できる。
多少ややこしいものだけ、問合せ作業が発生する。
お礼に と色々なものが届くので、食事事情がよくなってる。
猫の存在も、心の安定を保ってくれる。
猫が今の細やかな幸福感を運んでくれている。