朝方の激しい雨が嘘のように上がった。爽やかなひとときが訪れた。
風を入れたくて窓を開けた。気持ちよい風が入る。
外のいろいろな音に混じってどこかで電話が鳴ってる。
遠い音のようなので気にしなかった。
雑用の手を止めると、まだあの音。
慌てて自分の携帯電話を探した。
置き忘れたまま呼び出し音が続くことはしばしば。
自分の静かな携帯は見つかった。まだあの音が続いてる。
何かあった ? 少し変だと思い始めた。
誰かの大きな声が響いた。
「大丈夫なんですね。連絡しちゃったから、あとで警備員さん来ますよ」
警備員さん ? 何事 ? 警察でも消防署でもなく 警備員さん ?
あとで分かったのだが、ことのてんまつはこう。
警報器が鳴り続けることに気づいた人が、警備進さんに連絡した。
次に警報音の出どこを探してそこを見に行った。
そこにはお年寄りがひとり、何事もなくテレビを見ていた。
テレビに夢中の耳の遠い人に、警報音は聞こえなかった。
警備員さんが来ることを知らせたくてもなかなか伝わらない。
思いっきり大きな声で何度も何度も説明して・・・・
結果、火災でもなくガス漏れでもなく、ただただ無駄に警報音が鳴っていただけ。
ま、よかったね、何もなくて。
窓から入る風が届けてくれたハプニングだった。