破壊的な爆音と揺れで目覚めた。ほんとうに隣家で破壊が起きていた。
そういえば、更地になるって話は聞いていたなぁ。
破壊の様子を確認したくて階段を上った。大きな口が柱をくわえて振り回していた。
柱をはずして屋根を崩れさせるらしい。
しばらくその様子をみていた。めったに見られない光景に興奮。
クレーンの先には目が付いていて、ほんとうに怪獣が家を食べているみたい。
柱をくわえたまま首をぐるっと回してそっと柱を置く。次の柱も同じ場所にそっと置く。
倒れた壁板もくわえて別の場所に運ぶ。次の板も・・・
破壊力はすごいけど、その作業はとてもきちん としていて行儀がいい。
機械を操作する人の技がいいのだろう。
じっと見ているうちに、この怪獣がすてきに見えてきた。きっとその働きに感動したから。
ほぼ1日で家が消えた。あっけないような終わり方だった。そんなもんなんだ。