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『誘拐ラプソディ』(荻原 浩)

2010-05-06 18:15:34 | 読書日記
 金なし家なし女なし、あるのは借金と前科だけのダメ人間の主人公。彼が自殺をしようとしているところに、少年が転がり込んでくる。これ幸いと誘拐を企てるが、思わぬ方向に事態は転がりはじめ、色々は方面から少しずつ追い詰められていく。果たして彼の運命はいかに。

 どこまでもダメ人間で、ツいていない主人公が、誘拐した少年との関わりの中で生きる意味や希望を見つけていく。
 
 人間だれしも、人から必要とされることに喜びを見つける。そうすれば、生きる意味を見出すこともできる。人生をやり直すこともできる。

 ちょっと間抜けな誘拐だが、スリルもあり、胸に響く人間の繋がりの話もあり、「おもしろい」小説でした。

 映画化もされた?らしいです。主人公役が高橋克典さんというのはちょっとカッコよすぎる気がしますが、この楽しい小説をどんな風に映像化されているか気になります。