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『葬式は、要らない』(島田裕巳)

2010-05-04 13:01:20 | 読書日記
 日本人の葬儀費用は平均231万円。

 最近葬式を経験した身からすると、この程度の金額はかかるだろうなあと思います。

 いつからこんなに豪華な葬式をするようになったのか?

 なぜ、葬式にこんなに金をかけるのか?
 本人が生前に「こんな葬式をあげてほしい」と遺言でもしていない限り、残された関係者が決めることになる。
 世間体や見得?もあるでしょう。正直なところは、故人への感謝の気持ちを込めて、「できる限り豪勢な葬式をあげて、あの世に旅立たせてあげよう」という考えではなかろうか。
 ただし、著者は宗教学者だけに、人々の宗教観から来る葬式に対する考え方も整理してくれていますので、参考になります。

 葬儀費用といっても、通夜や告別式の経費だけではありません。
 お寺への戒名料や墓地にかかる経費も葬儀費用の大きな部分を占める。
 入るべきお墓がある人はいいが、あらかじめ用意されていない場合、新たに墓を求めるためには、まず、檀家となり墓地を求めることとなり、かなりの出費が必要となる。
 「墓参り教」の信者である日本人の多くは、是非とも事あるごとに墓参りをしたいので、墓地は必須であるからである。

 とは言え、核家族化、少子化、婚姻しない人が多くなってきている状況等を考えれば、「葬式不要」の流れは必然なのかもしれません。

 著者も言っていますが、自分の死後の取り扱いについては、特に「こうしろ」と指示は出さず、残された者達に、扱いは一任したいと考えています。その頃までに「葬式不要」が主流となっているかもしれませんが。