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Lake Griffin
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『病原体から見た人間 』

益田昭吾、2007、『病原体から見た人間』、筑摩書房(ちくま新書)

病原体も生物であるので、宿主を殺すことは自らの生息環境を狭めることになるので、本来の宿主-寄生体環境においては、宿主を殺すことはない。例外的な状況というのは、本来の宿主とは異なる環境に感染した場合、つまりは、宿主ー寄生体環境とは逸脱的な感染が生じた場合である。たとえば、エイズは本来の宿主ではない宿主であるヒトへの感染が、ヒトへの致命的な感染を引き起こすのである。
著者は、病理学者として感染症を研究する立場から、人類を病原菌と見て宿主である環境たる地球を破壊し尽くすかのような、人類の環境破壊行為を明らかにしようとする。ここで取り上げられるのは、ヒト感染症であるジフテリア菌は本来ヒトを殺すことはないにも関わらず、ファージに感染したジフテリア菌に感染した場合、生じた毒素によってヒトを死に至らしめるというケースである。ファージは、ジフテリア菌にを宿主としており、ファージがジフテリア菌を殺すことはないが、ジフテリア菌が宿主とするヒトを死に至らしめることになるのである。
ヒトが宿主である地球環境を死に至らしめるかのごとく環境を破壊し尽くすかのように見える行為は、本来、ヒトという地球環境にとっての本来病原菌でないからであるのか、あるいは、ヒトに感染した病原体のもたらす毒素によるものか、著者は、思考をかさねていく。
実のところ、途中、論理がよくわからなくなってしまったというのが正直なところではあるが、しかし、ヒトを地球環境に対する病原体とみなし、本来病原体であるが故に地球環境を死に至らしめるはずはないので、ジフテリア毒素に類似するものを発見してそれを駆逐して人間を地球環境と共存させるというのは、アイデアとしては興味深い。
でも、地球環境を死に至らしめる「ジフテリア毒素」に該当するものは、いったいなんだろうか。

病原体から見た人間 (ちくま新書 667)
益田 昭吾
筑摩書房

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2007-09-08 22:18:03 | 読書 | コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )


池下「佐世保」

池下「佐世保」には久しぶり。この暑い夏に耐えかねてか、主人が剃髪していていて驚いた。

はつますの薄造り(魚の名前が怪しいが、皮身の部分がこりこりと特においしい)
カキのフライ(季節のはじめの小さな牡蠣)
鯖の寿司(もちろん、酢でしめているのだが、握りの格好になっている)

2007-09-08 20:23:14 | 夕食・外食 | コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )