本日神奈川大学の生協で手に入れたCDは六角精児の「人は人を救えない」。私もたまにはクラシックやジャズ以外にもこのような曲を聴きたくなる。
何しろ題名がいい。「人が人を救う」なんておこがましいことを言わずに、革命と政治の時代の1960年代から「個」の世界に戻っていこうとした1970年代前半の苦い苦しみの時代を捉えている。
60年代を潜り抜けて、社会に着地しようにも着地できずにもがいている一群の人々。彼らの憂き草のようにただよわざるを得ない悲しみが、私に伝わってくる。心のどこかでそういう「放浪」に強く惹かれる自分がいて、そんな自分と50年間綱引きを続けてきた今の自分がとても情けなくなる時がある。
1962年生まれの六角精児という俳優は、そんな時代を敏感に対象化出来ていると感じることもある。
ほとんどが1970年代前半のフォーク系の曲であるが、1990年代の曲もある。
収録している曲では、第1曲の「やつらの足音のバラード」(作詞 園山俊二、作曲 かまやつひろし)、第2曲の「告別式」(作詞 山之口獏、作曲 高田渡)、第7曲の「追放の歌」(作詞・作曲 高橋照幸)、第10曲の「その世で一番キレイなもの」(作詞・作曲 早川義夫)、第11曲「風景」(作詞・作曲 中塚正人)、そして最後の第12曲「お前の町へ」(作詞 すとうやすし、作曲 六角精児)の6曲。
第2曲「告別式」は山之口獏の作詞ということに大変驚いた。ずいぶん昔に山之口獏の詩集を読んだが記憶になかった。だいぶ昔なので無理もないが。
添付された解説は読み物としても楽しい。歌詞とともに掲げてみた。
六角氏はやはり、なかなかの人だと思います。高田、早川、中塚まで取り上げているんですね。いま、半世紀前を再現できて、それを、この時代になじませられるのは、そう何人もいないと思います。それに、彼の歌は、旅の風景と、酒がプラスされて、われわれの年代に語り掛けてくる実力があります。さすが、氏です。いいものはわかるのですね…まいったあ……………………
解説は読み物としても秀逸なので、掲載しました。歌詞と共に。
通りがかり人様のCDの感想は、述べたつもりだったのですが、こんどはこのブログに掲載してみますね。
もうしばらくお待ちくださいm(__)m