Fsの独り言・つぶやき

1951年生。2012年3月定年、仕事を退く。俳句、写真、美術館巡り、クラシック音楽等自由気儘に綴る。労組退職者会役員。

春寒・余寒

2020年03月02日 23時02分34秒 | 俳句・短歌・詩等関連

 先ほど30分ほどの夜のウォーキング。昼間より暖かく感じた。朝10時前に6.5℃の最低気温であったが、この気温は平年では3月下旬の最低気温に相当するとのこと。如何に今年が暖かいか示している。そして慣れというものは怖い。本日はとても寒く感じた。

 今月はウォーキングの歩数は控え目にすることにした。昨年9月から連続6カ月かなりの水準で歩数をカウントしていた。半年の高原状態が続いたので、この1カ月くらいはクールダウンのつもり。

★世を恋うて人を怖るる余寒かな     村上鬼城
★春寒し水田の上の根なし雲       河東碧梧桐

 第1句、私などにはよくある心境である。気分が下降気味から少し上向きのとき、人と接するのに躊躇しがちである。一歩踏み出して何気ない会話がうまくできれば、楽なのだがその一歩がうまく踏み出せない。そのもどかしさを胸の裡に溜めているといつの間にか増殖して、人が怖くなってしまう。そうなると危機的である。世を恋う、心境も消えてなくなってしまう。回復期が一番自分でもしんどかった。そんな状態をいくども経験した。しかし生き延びてきている。そんな私がおおぜいの人とともに何かをし続けてきた。自分でも驚きである。

 第2句、「水田」は多分「みずた」と読ますのだろう。昔、早池峰山をはじめて臨んだ遠野を訪れたとき、私は「田一枚ほどの雲あり青田風」こんな句をつくったことがある。初夏の明るい景色を詠んだつもりである。碧梧桐にこのような句があるのは知らなかったが、こちらは少し否定的な「雲」である。俳句行脚を続ける作者を投影した自嘲気味の感慨だろうか。

 



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