本日はヨゼフ・スークの独奏によるベートーヴェン「ヴァイオリン協奏曲」。フランツ・コンヴィチュニー指揮、チェコ・フィルの演奏。1962年の録音。
スークの演奏では、ボールト指揮、ニュー・フィルハーモニアの1970年の録音のものもある。チェコ・フィルのほうがオーケストラは抑制的で、悪く言えば盛り上がりに乏しいかもしれない。あるいは録音技術の差か。
第一楽章はボールトの指揮のほうが30秒長く25分、第二楽章はコンヴィチュニーのほうが1分ほど長く11分。たっぷり第二楽章を聴きたい私は当然にもコンヴィチュニーのほうが好みである。第三楽章はほとんど演奏時間の差はない。
私は最初のティンパニーの4つの音がコンヴィチュニーのほうが断然好きである。
スークの演奏はスークらしく線が細いがいづれも音が美しい。スークの音にそれほどの差はないと思っているが、果たしてどうであうか。
学生時代の1970年ころになけなしの小遣いで購入したLPがこの組み合わせであった。レコード盤が擦り切れるほど聴いた。1993年にCD版で再発売されたのを見つけてすぐに購入した。
1968年のチェコの「プラハの春」の成り行きに耳をそばだててテレビの音声を聴き、新聞や「世界」などを読み漁っていた高校2年生の私にとっては、1970年にチェコ・フィルとスークの取り合わせと聞いただけですっかりはまってしまっていた。