本日の午前中と夕食後の編集作業のBGMは、シベリウスのヴァイオリン協奏曲(作品47)。演奏はヴァイオリンがシルヴィア・マルコヴィッチ、ネーメ・ヤルヴィ指揮のエーテボリ交響楽団。1987年の録音である。
このCDはジャケットの日の出ないし日の入の写真が気に入って、演奏者も満足に見ないで衝動買いした。今は演奏内容にも満足しており、衝動買いを後悔はまったくしていない。曲の冒頭の雰囲気そのものである。
ヴァイオリンの高音の抒情的な旋律に低音の木管が絡む冒頭を私はもっとも気に入っている。
続くおどろおどろしい弦楽器の後からホルンが呼び出されてから再びソロのヴァイオリンのすすり泣くような旋律に移行していく。シベリウス自身が「極寒の澄み切った北の空を、悠然と滑空する鷲のように」と述べたという逸話を聞いた。あまり情景を思い浮かべることは避けているが、それでもこの言葉は気に入っている。
シベリウスはヴァイオリンが得意であっただけあって、ヴァイオリンの特性を心得ているなぁ、と納得する。第2楽章、第3楽章まで緊張感が途切れることがない。特に第3楽章の特異なリズムに乗ったヴァイオリンのソロは印象的。
昔初めてこの曲をスコアを見ながら聴いたとき、こんな難しい曲があるのか、と驚いたことがある。他に五嶋みどり、諏訪内晶子の演奏ももっているが、どういうわけか、このCDを聴くことが多い。