Fsの独り言・つぶやき

1951年生。2012年3月定年、仕事を退く。俳句、写真、美術館巡り、クラシック音楽等自由気儘に綴る。労組退職者会役員。

「西行」から 3

2024年07月04日 10時42分35秒 | 読書

   

 昨日西行の歌で今回惹かれたものを引用した。追加で3首。西行の述懐の歌に惹かれる時もあるが、今回は自然詠に惹かれている。

★横雲の風に別るゝしのゝめに 山飛び越ゆる初雁の声    (新古今集)
 この1首が定家の有名な「春の夜の夢の浮橋とだえして 峯に分かるる横雲の空」に影響を与えた、という指摘がかかれている。

★白雲をつばさにかけて行く雁の 門田の面の友したふなる  (新古今集)
 この1首は記憶に残っていなかった。

★古畑の岨の立つ木にゐる鳩の 友呼ぶ声のすごき夕暮    (新古今集)
 荒れた畑の傍に立つ多分異様な姿の木、そこで鳩が不気味な声で「友」を呼ぶ。荒涼とした寂しい風景と声に「友」が配され、人との関係を求める西行の孤独感が醸し出される。自然詠でありながら、述懐・感傷と一体。このあたりが西行の魅力とされるのであろう。

 



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