伊藤恵のシリーズシューマニアーナ4を昨日聴いた。シューマンのピアノ曲は和音が厚く押し寄せてくる感じだ。メロディーが和音の中に溶け込みそうなのは、伊藤恵という演奏家の演奏スタイルなのか、もともとの曲がそうなのかは、素人の私にはわからない。
このCDでは「天使の主題による変奏曲」と「暁の歌」、特に前者が今の私の心に届いた。あまり重厚な和音の氾濫は、気分的には今は受け付けないようだ。かといってメロディーだけが浮き上がる演奏がいいという気分でもない。
高橋悠治が「『暁の歌』の暗く思い響きはさらさら輝く和音を求めてたえずのびあがっている。‥じつは落日の名残ではないのか」。「天使の主題による変奏曲」は「天使とは思えないが、学生の気ままな日々の遠い追憶か。メロディはやがて河のさざなみのように溶けていく。‥すぐれた音楽はその作者の運命を時間に先立って織り上げることもできるのだ。」と記している。
このCDでは「天使の主題による変奏曲」と「暁の歌」、特に前者が今の私の心に届いた。あまり重厚な和音の氾濫は、気分的には今は受け付けないようだ。かといってメロディーだけが浮き上がる演奏がいいという気分でもない。
高橋悠治が「『暁の歌』の暗く思い響きはさらさら輝く和音を求めてたえずのびあがっている。‥じつは落日の名残ではないのか」。「天使の主題による変奏曲」は「天使とは思えないが、学生の気ままな日々の遠い追憶か。メロディはやがて河のさざなみのように溶けていく。‥すぐれた音楽はその作者の運命を時間に先立って織り上げることもできるのだ。」と記している。