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趣味や仕事、時には世の中の出来事のこと。心に写りゆく思いたちを徒然に書き綴ります。もちろんメニューはその日のおまかせで。

素敵な想い出たちを携えて。

2005-02-22 19:31:47 | 旅日記
最終日の朝も美しい朝焼けが私を迎えてくれた。

昨晩札幌を発った夜行列車は定刻に釧路へ。

そして私は、最後の訪問地として選択した北浜駅を目指し、網走行きの普通列車に乗り込んだ。

釧路を出てほどなくして、列車は釧路湿原へ。

釧路駅に着いた時も感じたが、今日は冷え込みが厳しいようで、釧路川の上には川霧が立ちこめている。
また、それが流れに沿って茂っている木々に付いて樹氷のようになっており、川霧と合わせて織りなすその様はある種幻想的でとてもきれいだった。

そして、標茶駅で交換列車の待ち合わせをしている時のこと。

外に出て、マイナスの空気を満喫していると、何かキラキラしたものが空気中を漂っているのに気付いた。

これがダイヤモンドダストか!

感動を覚えるとともに、それらが静かにそして優美に朝日を浴びて光輝きながら舞っている光景に私は釘付けとなった。

美しい…。
ただただ感動の一語。

先日硫黄山で見たものとは大違い。
どうやらあれはダイヤモンドダストではなかったようである。

ともあれ、この感動は私の胸に素敵な想い出のひとつとして深く刻み込まれた。

標茶を出発した列車は、単線のレールをひた走り、峠を越してオホーツク沿岸へ。

私はその玄関口でもある知床斜里駅で下車し、流氷をゆっくり眺められることが売りの観光列車に乗り換えることにした。

流氷は私にいろいろなことを教えてくれる。

あの時の北浜駅でもそうだった。

そして列車は、知床斜里を出発し、流氷を望める場所に。

コンディションが悪く、一面の流氷原とはいかなかったものの、打ち寄せた真白な流氷と淡い青の空、深い青の海、そして遠くにそびえる白雪を冠した知床連山のコントラストは、実に見事であり、しかも私に新しい決意を与えてくれた。

そして、北浜駅着。

流氷こそなかったものの、空と海が織りなす風景画は今でもその透き通った美しさが目に焼き付いている。

北浜駅では、過去の足跡を探し、新たな印を刻み残した。

その後、来た道をたどり、再び標茶へ。

今度はSLに乗り、湿原を満喫した。

ここでも素敵な想い出ができたが、それは後日また記すこととしたい。

今日の写真は、北浜駅のホームから海と空を望んで。

いよいよもうまもなくでこの地を後にすることになる。
が、これだけの素敵な出会い、想い出があれば、もう思い残すことはない。

列車は今、空港の方角を目指し、快調に進んでいる。


美馬牛再訪。

2005-02-21 21:34:38 | 旅日記
昨日の夜、またしても予定を変更することを決めた。

もともとこの日は丸1日空けていたので、大きな変更ではないが、天気が芳しくなさそうなので、終日函館ではなく、どこか他のところを目指そうと思い立ったのだ。

朝起きて窓から外を見ると天気は雪。
やはりこれでは函館山からの眺望は期待できない。

外に出ると時折青空が顔を出すこともあり、多少迷いもしたが、変更したプランで進むことにした。

まずは手早くではあるが、函館の街を歩く。

外人墓地から望む港の景色。
はじめてここに足を運んだが、なかなか素敵なところである。

函館の新たなお気に入りのポイントになりそうである。

その後、函館の坂めぐりをし、レンガ街へ。
白く染まった函館の街は実に美しかった。

何回も函館には足を運んでいるので大概のところは行き尽しているのだが、何度来てもここは飽きない居心地の良い街である。

それから私が向かったのが、美馬牛。

前回も訪れたここもお気に入りのところである。

まずは函館から札幌へ。

列車で隣に座っていた壮年の方とひょんなことから話がはじまり、1時間以上も話し込んでしまった。

また旅ならではの出会いが1つ。

列車の遅れで私の札幌での乗り継ぎが駆け足となり、最後にきちんとご挨拶できなかったのが心残りであった。

それから旭川を経て、夕方にようやく美馬牛着。

吹雪いていたもののその雪が演出する光景は、それはそれで幻想的なものだった。

着いた時間が遅かったため、惜しくも前に書いたあの喫茶店の再訪はならなかったものの、その代わりだろうか、感動的な光景に出会うことができた。

喫茶店から駅へ戻る途中、吹雪いていたのが止み、ふと空を見上げると満月にはまだ満ち足りないものの、美しく優しい光をたたえた月が。

まさに美月。

感動以外の何ものでもなかった。

駅に戻り、再び空を見上げた。

静まりかえった空気の中、その美月の下で過ごす時間は、まさに至福の時間と言って良いほど感動的だった。

これでまた想い出の場所が1つ。

今日はその新たな想い出の場所、夜の美馬牛駅の写真をお届けします。画像があまり良くありませんが、その点はご了承ください。

明日はいよいよ最終日。
再び道東を目指し、もうひとつの想い出の場所を再訪します。


やって来た「暴風雪」。

2005-02-20 21:14:38 | 旅日記
そいつは1日遅れてやって来た。

昨日のブログでも触れた「暴風雪」である。

今朝の帯広の天気は雪。
確かにたくさん降ってはいたが、当初の予定どおり然別湖へ向かうつもりでいた。

バスを1本遅らせ、ちょっと余裕を持って朝の時間を送っていた。

しかし、その時付けていたテレビに映し出された気象速報のテロップが私に衝撃を与えた。

国道274号線雪崩のおそれがあるため全面通行止め。

記憶に間違いがなければ、国道274号線は帯広から大雪山の麓を通り旭川方面へ抜ける国道。私が向かう然別湖は274号沿いではないものの、その途中の糠平から峠1つ隔てたところで、山間にあるところに変わりはない。

ヤバイかも…。

そう思い、すぐさま荷を整え、宿を出て、バスセンターへ。

そこには運休とも何とも書いてなかったが、道路1本隔てただけのバスセンターに行くまでのわずかの間に私の頭に積もるほどの降りとその降りで視界が悪くなっている眼前の状況が私に訴えかけた。

これだと行っても帰れないかもしれない。
今日は函館泊の予定なのでそれはとてもマズイ。

そう思い、まずは駅へ。

さんざん迷ったが、こういう時は先を急ぐのが定石。
帯広からは一番となる札幌行きの特急に乗り込むことを決めた。

その特急が札幌に着いたのが昼過ぎのこと。
先を急いでいるわけではないので、それほど気にはならなかったが、実に68分遅れの到着であった。

大変だったのはその後。

今回私はグリーン車用のフリー切符を使って、寝台を駆使しつつ道内をまわっているが、何とグリーン車が空いていないのである。

無論、自由席にも乗れはするのだが、グリーン車に乗れる切符なのに長距離を自由席というのは耐えられない。

函館方面の列車には遅れが出ていなかったこともあり、そう思った私はやむなくもともと持っていた最終の函館行きまで待つことを決めた。

しかしここからが長かった。
何せ昼過ぎから出発の19時過ぎまで時間をつぶさなくてはならないのである。

しかもここはあらかたのところは行き尽している札幌の街。
隣の小樽も同じようなものだ。

とりあえず小樽を歩き、札幌に戻って北大構内を歩き…、でもまだ2時間ある。

駅の地下街をぶらぶらしたり、駅でボーっとしたり。

そしてようやく今、私は函館へ向かう車中にいる。

大雪の直接の被害はそれほどではなかったが、何とも大変な1日である。

北の都で美しい夕焼けに出会えたのがせめてもの救い。

今日はそんな北大のポプラ並木での夕日のシーンをお届けします。

これはこれで思い、感じることがあったし、これもある意味旅ならではの出来事であるので、良いのではあるが…、いやはや万事OKとはなかなか行かないものである。

ちなみに今乗っている列車も現在7分遅れで運転中とのこと。

無事に函館に着けるのだろうか(苦笑)。


2005/02/19

2005-02-19 23:57:56 | 旅日記
旅立つ前にチェックした予報では、今日は「暴風雪」となっていた。

しかし、自分ではこれまでのいろいろな出来事を考えると、心の中ではきっと大丈夫と思っていた。

とは言え、やはり気になっていたのだろう。朝、定刻に釧路に着くことを知らせる放送があった時、自分から出てきたのは、「えっ、遅れてないの?」というものだった。

慌ただしく準備を整え、釧路駅に降り立った時、見えたのは冬の北海道の旅でこれまでで最高と言っても良いくらいの晴れ空だった。

そこから当初の予定どおり、網走行きの普通列車に乗り込んだ。

途上、車窓から見える朝焼けの空は見事であった。

最初は川湯温泉駅で降りて、マイナス20度のシバレを味わう予定であったが、あまりにも見事な快晴の天気に急遽予定を変更。

冬にあまり行っていないところに行こうと思い、以前から目を付けていた網走から道東の主要な景勝地を観光付きでまわる路線バスに乗り込むことにした。

美幌峠、屈斜路湖、硫黄山、摩周湖。

どこも大変に美しく、特に摩周湖は霧ひとつなく、深い摩周ブルーの湖面の前から立ち去りたくないくらい。

これまで見た中で最も美しい姿であった。

道中、硫黄山と摩周湖ではダイヤモンドダストと思われる光景にも遭遇。

今日はその意味で大満足の一日。
変な表現だが、思わず「勝った」という一言が口をついて出た。

その後、摩周、釧路を経て、今日は帯広泊。

私の好きな街の1つである。

今日お届けする写真はその摩周湖の姿。
少しでも感動が伝われば幸いです。

良いこと続きで気分も爽快。

しかし問題は明日。

予報によると天気悪そうなんですよね…。



最北端到達!

2005-02-18 21:21:50 | 旅日記
一路北を目指し、朝6時に稚内の地へたどり着いた。

季節的にこの時間だとまだまだ夜明け前。

最初に向かったのは北防波堤。
曲線の美しいドームである。

まさに明けなんとする空に映えるドームは実に見事であった。

が、驚いたのはその寒さ。

実際何度まで行っていたかを把握していないので定かなことは言えないが、寒さというか、その痛さは、体験的には自己最強。

かつて阿寒湖で経験したマイナス14度を上回るもの。
実に見事な「シバレ」だった。

その後、時間調整を兼ね、以前から気になっていた抜海駅(この駅についてもどこかでまた書きたいと思うが、実に趣きのある駅だった)を訪れ、再度稚内に戻り、最北端を目指した。

前回宗谷岬を訪れたのは3年前。

視界が悪く、地元の路線バスも徐行せざるをえないほど吹雪いていたのを覚えている。

そして今回。

宗谷岬は実にあたたかく僕を迎えてくれた。

確かに気温こそマイナス11度と低かったものの(それでも朝に比べたらはるかに過ごしやすかった)、空はこれまで見たことがないくらい美しい透き通った青空、まさに空色という色だった。

だからだろうか。

前回来たときは重苦しいものが心にのしかかっていたのに、今はまったくそれがない。
まさに空のような晴れやかな気持ち。
ある意味、これまでこんなにも軽やかな気分で旅したことがあっただろうか、とすら思えてくる。

今日のその後の旅程もなかなか良い感じで進んでいる。

ちなみに今日の稚内は宗谷岬からの帰りのバスで会ったおばちゃんも今日一番のシバレだと言い、良い日に来たねと言ってくれた。

別れ際、良い旅をとのことで握手を求められ、快く応じると、さらにまた会いましょうと声をかけてくれた。

心あたたまる旅ならではの出会い。

ありがとうございます。

僕は応え、良い旅をする決意とともに、そうなる予感を覚えた。

今日の写真は、日本最北端・宗谷岬より。
素敵な空の感じが伝わるのではないでしょうか。

今夜は再び夜行で釧路を目指します。


最北の地を目指して

2005-02-17 23:35:19 | 旅日記
私は今、稚内行きの夜行列車でこの紀行を書いている。

会議を無事に終え、職場を離れたのはわずか6時間前のこと。それから空港へ向かい、今ここにいる。

やはりいつも旅立つ時は胸に去来するものがあり、いろいろな思いが頭をよぎり、特に離陸の瞬間は目頭が熱くなりさえした。

私がこれから向かう稚内の地。

ここは私にとってとても思い出深いところでもある。
利尻富士しかり、宗谷岬しかり。

だからこそ、この旅でも最初に足跡を刻む場所に決めた。

そして。

明日の朝にはいよいよその最北の地に立つことになる。

果たして私は何を感じ、何を思うのだろう。

そんなことを思いながら、夜は更けていく。

今日お届けする写真は出発を待つそんな夜汽車の風景です。


出発前夜。

2005-02-16 23:59:13 | 旅日記
いよいよ明日が旅立ちの日となった。
明日は仕事を早めに切り上げ、夕刻のフライトで試される大地へと向かうこととなる。

いろいろと今回の旅のテーマについて情報収集もしているのだが、先日ここに書いたダイヤモンドダストは正直微妙な見通しとなっている。

通常、これは喜ぶべきことなのかもしれないが、私はどうも寒さにツキがないらしく、今回の旅程と天気予報を照らし合わせると、今回もまたもや気温が高めらしい。

しかしこれはあくまで予報。
予報が変わるのをあとは待つしかない。

明日の今頃は、最北の地へ向かう夜行列車の中。

今回の旅で何に出会えるか、何を見つけるか。
それが今から楽しみである。

再び北へ。

2005-02-13 23:02:46 | 旅日記
慌ただしい毎日を過ごしているうちに、つい前回の投稿より1ヶ月以上の月日が経過してしまった。
改めて思う部分であるが、いやはや継続は難しい。

さて、久しぶりの投稿には大きな意味がある。
というのは、ついにというか、やはりというか、本年2回目(通算23回目)となる北の大地への上陸が決定したからである。

開始早々すでにそのような状態になってしまっているが、必然的にリアルタイムでの旅紀行も行われることとなる。

思えば今年初めて(2月なのにこのような表現もどうかと思うが…)北の大地を踏みしめたのは1月の3日。
待望久しきトワイライトエクスプレスでの旅路の果てであった。
冬の北海道にしては過ごしやすいあたたかな日であったことを記憶している(逆に言うと、これが物足りなかった訳だが)。
無論、この時の旅のメインはトワイライトであり、北の大地を主軸に据えていた訳ではなかった。だから、冬のシバレがなくても、滞在時間や乗車距離が短くてもそれで満足…のはずだった。

もちろんこの時もいろいろと新たな発見もあり、この季節ゆえのスペシャルな出会いもあり、なかなか良い旅ではあったし、それはそれで十分満喫もした。

しかしである。
自分で言うのも何であるが、この私がそれでというか、その程度で飽き足りる訳がなかった。
逆にこの1日の滞在が自分をさらなる訪問へと駆り立てる結果となってしまったのだ。

だが、再度の冬の訪問に迷いがないわけでもなかった。
冬という季節限定の要素を加えれば、まだまだ未開拓のゾーンはたくさん残っているとはいえ、冬の訪問だけでもこれでもう7回目の訪問である。
季節柄、主要な足は列車となるが、列車で行けるメジャーなところはそれなりに行き尽くしている。
行くのは良いが、そのメインに何を据えるか。これが難問だった。

思い付くままにこれは良いかもというプランを上げ連ね、今回の旅の要件定義(職業バレるなあ)について検討に検討を重ねた。
その結果、いくつか柱はあるものの、最大のポイントを見い出すことができた。

今回のメイン、それは「自然現象」。
マイナス20度の世界でしか出会えない奇跡。
冬にしか見られないかけがえのない光景、ダイヤモンドダストをこの目で見てみたい。
もちろん、相手が自然である以上、行ったところで見れるか見れないかは、時の運。
でも、出会える幸運を信じ、出会えた喜びを味わってきたい。

その旅立ちまであと残すところ3日。
いくつかの候補を日替わりで用意しているため、最終の行程は固まってはいないが、準備はほぼすべて整った。

いざ再び北へ。

今日の画像は、そのきっかけをつくることになったシーン。
前回の旅の最後の1枚です。
旭川駅で佇むキハ40。
北海道のディーゼル路線の普通列車の主力です。
私にとってはなんとも言えぬ旅情をかき立ててくれる光景です。