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日本をはじめアメリカ、オーストラリア、ニュージーランドそしてシンガポールからヨーロッパのポルトガルまで歩いた旅行記です。
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12、シンガポールからヨーロッパまで歩く (イラン) -396
13)イランを歩く
日記から-50
1月9日(水曜日) 快晴
また、ドルを換えにブラックマーケットに行く。
そこはフェルドシ・ストリートのトルコ大使館を北に上がった所からである。
この前は100ドル札の場合1ドルが580リアルで換えてくれたが、今日のレートは100ドル札の場合1ドルが600リアルである。
今日は100ドルも換えず、換えるのはゴンタ、昨日会った日本人そして俺の3人で30ドルだけである。
だから足元を見られ、1ドルを550リアルで換える。
一緒に換金した日本人旅行者は昨日ゴンタとテヘランの街の店に入った時にバッタリ会った人でアビルカビルホテルに連れて来た。
彼は少し暗い感じがするので、「そんなに深刻に考えるな。」という感じで連れて来てしまったのであった。
そして、今日はゴンタがダブリスに行くというのでこの日本人が同じ部屋に入って来ることになる。
ゴンタが出て行くときにまたヒトモンチャクあった。
それはゴンタが荷物をホテルに預けたいというのであるが、マネジャーが預かる預からないともめていたのである。
ゴンタはもう40歳ぐらいなのに、もっと人間が丸くなってもいいのではないかと思うのである。
とにかく、彼は西洋人特有の自分中心の考え方を完璧に持った人である。
昼食を取りにと絵葉書を買いに3人(ゴンタ、日本人、俺)で街に出る。
3時半ぐらいからはゴンタを見送りにバスターミナルへ行く。彼、ゴンタは絵葉書や新聞など山のように持っている。
だから、彼一人では動くことが困難なので、俺がバスターミナルまで送りに行くことになってしまっていた。
とにかく彼とは最後の別れになるのだから我慢しよう。
ホテルに帰ってきて、日本人と夕食を一緒に取り、モハメッドが部屋にやってくる。
モハメッドとはいろいろな話を聞く。例えば秘密警察の仕事の話、戦争の話などである。
彼はまだ21歳だというのにいろいろなことがあったようだ。
特に戦争の時などは上官をコッソリ訪ね、その上官の部屋で真意を確かめ許せないから殺してしまったとも言う。
その人殺しが、やもうえないことであったとしても、人を殺したことがある人の目はどこか少し違うような気がしてならない。
また、軍隊ではいくら体が大きくて体力がある様でも、長い忍耐が必要な訓練では体の筋肉の多さではない。
精神が重要だと言うのである。
彼は戦争で人を殺したかもしれないが精神とかは健全としてしっかりしている。
この後、モハメッドが帰ってからも日本人と話をしていた。
トラックの運転手に貰ったセーターを着ている俺(左)と日本人の旅行者。アビルカビルホテルで