伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。2022年に続き2023年も目標達成!

薔薇のなかの蛇

2023-07-06 23:26:57 | 小説
 イギリスのミステリーサークルの遺跡近くの古い屋敷「ブラックローズハウス」に当主のオズワルド・レミントンのバースデーパーティのために招集された長男のアーサーは、そこで弟のデイヴ、妹のアリスとアリスが連れてきた友人リセ(水野理瀬)を始め多数の招待客とともにブラックローズハウスに逗留することになったが、直前に起こった近隣の遺跡に残された切断死体を話題にしているうちに、間近でも切断死体が発見されて警察官が殺到し、オズワルドが「聖なる魚」を名乗る者から脅迫状を送られていたことが発覚して招待客は足止めされ…というミステリー小説。
 最初は陰惨なミステリーで始まりその流れが中盤まで続きますが、最後は枠組みが大きくなりすぎてミステリーというイメージはどこか消え去ってしまい、ミステリーとしてよりも、水野理瀬というキャラクターの魅力で読ませる作品だと思いました。
 水野理瀬は、私は初見でした(恩田陸作品で水野理瀬が登場する作品は読んでいませんでした)が、文庫版解説によれば作者の作品の相当数に登場していて、「理瀬シリーズ」と呼ぶべき作品群があるのだそうです。私もこの魅力的なキャラのシリーズを少し読んでみようと思いました(さっそく長編2冊予約入れました)。


恩田陸 講談社文庫 2023年5月16日発行(単行本は2021年5月)

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 52ヘルツのクジラたち | トップ | できる大人の「要約力」 核... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

小説」カテゴリの最新記事