伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。2022年に続き2023年も目標達成!

直感を裏切るデザイン・パズル

2015-10-07 19:45:14 | 趣味の本・暇つぶし本
 錯視などの視覚現象を説明しつつ、視覚や空間認識等に関するパズルのクイズを集めた本。
 錯視について説明する第1章では、割と素直な驚きを感じることができます。私は、2つの傾いたものの写真を並べると左側に傾いている塔の写真なら左側にある塔の方がより傾いて見えるという斜塔錯視(22ページ)や、縞模様を直線で切断(横断)して横にずらすとその境界線の直線が傾斜して見えるというミュンスターバーグの錯視図(44~46ページ。表紙にも採用されている)、同一の円弧(半円等)を等間隔で並べる(「)))))))」こんな感じ)と円弧の出っ張り側の端(←の例では右側)がより大きく見えるというヴントの錯視図(49~50ページ)に感心しました。
 第2章以降は、図形や空間認識、数字を使ったクイズですが、だいたい私が子どもの頃に流行った「頭の体操」(多湖輝)のレベルとセンスで、著者は、難しいだろうというような書きぶりで解説しているのですが、ほとんど歯ごたえがなく、正解しても何か満足感を得られるレベルには思えません。円を分割して楕円を作れるかという問題(157ページ)は私はお手上げでしたが、これは楕円の定義の問題で、弧成楕円(円弧をつなげて作る楕円:4心楕円)を楕円と考えるかだけの問題です。線1本で100分の1にという問題(179ページ)に至っては、1%(0.01)は100の100分の1じゃなくて1万分の1ですから解答になっていませんし。
 後半に読み進むにつれてだれていきます。第2章以降はやめて、第1章の内容で1冊書いてくれるととてもよかったのですが。


馬場雄二 講談社ブルーバックス 2015年8月20日発行

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