ティーンドラマの主役級だった女優が、子役時代からステージママに身も心も支配されていたこと、母の下を離れても摂食障害とアルコール依存等に苦しみ続けたことなどを綴ったノンフィクション。
タイトルと冒頭の母親の危篤シーンでも母への愛を語る様子などから、フィクションだと思って手に取り読み始めたのですが、主人公が著者の名前だし…と思って途中で検索したらノンフィクションとわかり驚きました。
後半の摂食障害(過食症と嘔吐)やアルコール依存のエピソードは凄絶とも言えますが、タイトルにされている母との関係は、まわりの者に虐待だとか言わせているのに、著者自身はずっと母を愛している、母の幸せがすべてだとか言い続けています。どこかで著者が母親を批判し、タイトル通りの言葉が出るものと思っていましたが、最後までそれは出てきません。これは何なのだろう、自分の母親は虐待者で鬼だったけれども自分はそうは思っていない、自分は虐待されても恨みに思わない「いい人」って設定でいたいのだろうかと思ってしまいました。いやいや、親の支配・虐待の根は深い、そう簡単にはその影響から脱せない、最後に精神的にも離れたというだけでもたいへんなんだ、立派なものだ、とそう読むべきで、私などは被虐待者の心を理解できない未熟者だということなんでしょうね(でも、それならどうしてこの本を書いたのかねとも思ってしまうのですが)。
原題:I'm Glad My Mom Died
ジェネット・マッカーディ 訳:加藤輝美
徳間書店 2024年6月30日発行(原書は2022年)
タイトルと冒頭の母親の危篤シーンでも母への愛を語る様子などから、フィクションだと思って手に取り読み始めたのですが、主人公が著者の名前だし…と思って途中で検索したらノンフィクションとわかり驚きました。
後半の摂食障害(過食症と嘔吐)やアルコール依存のエピソードは凄絶とも言えますが、タイトルにされている母との関係は、まわりの者に虐待だとか言わせているのに、著者自身はずっと母を愛している、母の幸せがすべてだとか言い続けています。どこかで著者が母親を批判し、タイトル通りの言葉が出るものと思っていましたが、最後までそれは出てきません。これは何なのだろう、自分の母親は虐待者で鬼だったけれども自分はそうは思っていない、自分は虐待されても恨みに思わない「いい人」って設定でいたいのだろうかと思ってしまいました。いやいや、親の支配・虐待の根は深い、そう簡単にはその影響から脱せない、最後に精神的にも離れたというだけでもたいへんなんだ、立派なものだ、とそう読むべきで、私などは被虐待者の心を理解できない未熟者だということなんでしょうね(でも、それならどうしてこの本を書いたのかねとも思ってしまうのですが)。
原題:I'm Glad My Mom Died
ジェネット・マッカーディ 訳:加藤輝美
徳間書店 2024年6月30日発行(原書は2022年)