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篆刻(てんこく)」5月の競刻「五福祥来」

2020年07月27日 | 篆刻
篆刻サークル5月の競刻の未提出作品
課題は「五福祥来」 (五つの福がめぐってくること)
以下先生の講評です。


ゆったりと大らかさを感じさせる好印である。
省略による空間の広さが生きている。一見
鉄線小篆の味がある。


「五」のふくよかな形に対して他字は少し苦し気に
見える。運刀に少し乱れがあるせいかもしれない。
辺縁はもっと太くすると印面が引きしまる。一考あれ。


一字を朱文にした朱白同印の作である。こういう
印も楽しい。一、二字との間がやや苦しい。字入れの
際、十分考慮したい。


線をよく見ると細太変化と刀の勢いが見てとれ
みごとな運刀である。分間布白はもとより辺縁まで
生々としている。


印面の広さに負けない心意気が出ていてうれしい。
もう一段の伸展を望みたい。文字の中心を意識する
ことが大切


十字界線と言ってよいのだろうが四分割された文字が
個別に存在感を示し個性的である。線質はやや弱いか。


さすがベテランらしく、刻に迷いがないのはさすがである。
「福」は異体字をあてている。「示」の連続を意識したものか。


十字界線の中に金文をとり入れ、古色十分の作なり。
「示」が二字で逆転しているのも古き時代には
よくあること。やや印泥の重みが出たか。


何よりも雅味があり。変化十分の作に感心する。
しかしそれは未熟さとも言えるかもしれない。
正確に一本の線を刻したい。


人としての五つの幸福。
寿命の長いこと、財力の豊かなこと、無病息災で
あること、徳を好むこと、天命を全うすること。

人の寿命はわからない、財力はなし、病は数々あり
徳を積むことができて、天寿を全う出来たら
それで良しです。

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