獅子丸のモノローグ

☆気まぐれ不定期コラム☆

FIT3試乗記

2013年09月16日 | CARS&F1

 日曜日。尾車氏と合流し、ホンダのお店へ。
 フルモデルチェンジされて3代目となった、ホンダ・フィットを見学するためである。


    
 試乗車があったので、はにかみながらも嬉々として、試乗させていただくことに。
 まずは4WDモデルの13G・Fパッケージ(CVT:税込車両本体価格154万9000円)から。

    
 トヨタのアクアを意識したと思われる、縦長のテールランプ。
 ハッチゲートの一部に加飾を施して成り立っているそれは、そこはかとなく「後付け感」が、否めない。

    
 常時発光式メーターは、もはやベーシックカーにも当たり前の装備となったようだ。
 燃費計の数値は12.9km/Lと表示されている。
 このグレードのステアリングは、ウレタンである。汗っかきの私としては、ここは残念なところ。 
 だが、シートは大ぶりで、ベーシックカーらしからぬしっかりとした造り。この点については素晴らしいと思う。
 加えて、当然ながら、フロントシートベルトの上下調整機構も装備。
 余談だが、アクアは、それを省略している。私は、トヨタというメーカーの、そういうところが信頼できないのだ。

    
 空調パネルは、使いやすい3連ダイヤル式。
 そのインパネだが、全体のデザインの煩雑さが、やや品質感をスポイルしている。この辺は、むしろスイフトあたりの方が、ヨーロピアンでエスプレッソで、私好みだ。

 さて、先代も含め、フィットに乗る度に思うのだが、キビキビとしたそのドライブフィールは、なかなかスポーティで、気分よく走れる。
 足回りもやや固目ではあるが、決して不快ではない。
 加えて、リヤシートやラゲッジの広さは、競合他車をまったく寄せ付けない。
 ホンダの特許技術「センタータンクレイアウト」には、まったくもって脱帽である。

    
 この試乗車には、オプションの「シティブレーキアクティブシステム」が搭載されていた。
 昨今流行の自動ブレーキシステムのひとつである。
 この手の安全装備も、ゆくゆくは現在のABSのごとく常識的な装備になるのだろう。
 その普及スピードは、私の想像よりもかなり速いようである。

 「アイサイト」でその先鞭をつけたスバルは、やはり、偉い。と、あらためて思ったりして・・・


    
 続いて、ハイブリッドのHYBRID・Lパッケージ。FFで、税込車両本体価格は183万円。
 トランスミッションは、ホンダが開発した「7速デュアルクラッチトランスミッション」(7DCT)である。
 フロントマスクを正面から見ると、ウルトラアイを装着した時のモロボシダンを連想する。

    
 ハイブリッドのテールランプは、ノーマルなフィットのそれよりも、クリアレンズの面積が大きくなっている。

    
 ステアリングは、汗っかきに嬉しい本革巻。
 ハイブリッド専用メーターが、未来感を漂わせる。
 タコメーターは、右の「マルチインフォメーションディスプレイ」内に、切り替え表示できるようになっている模様。

    
 さて、このハイブリッドだが、その動力性能は、ノーマルフィットを上回ってあまりある、上質なモノであった。
 交差点を左折して、そこから加速に移る際の、滑らかで豊潤に盛り上がるモーターのトルク。
 加えて、その静粛性。ライドフィールも、ハイブリッドバッテリーの重さが功を奏しているのか、なにかしなやかである。
 そして、なんといっても、この7速DCTの、滑らかで痛快な、電光石火のシフトワーク。ショックはほぼ皆無で、エンジン音だけがハミングのように上下する。これは本当に、素晴らしい。

    
 ただ一つ残念なのは、このタッチ式の空調パネルである。
 最近この形式は流行しつつあるようだが、使い勝手は、まったく良くない。
 走りながら空調を操作したくなるのは、「フルオートエアコンの痒いところに手が届かない制御」を嫌う私の場合、日常よくあることだ。手探り操作性皆無のこの空調パネルには、大きな×を与えたい。
 なお、この12月には、ハイブリッドの4WDモデルが追加発売となる模様。積雪地にお住まいの方は、それを待つべきなのかもしれないですネ。

 
 FIT3。そのスペースユーティリティーは圧倒的で、加えてドライブフィールも上々の、よく出来たクルマである。
 ノーマルフィットでも充分にイイのだが、ハイブリッドに乗ってしまうと・・・数十万出しても、ハイブリッドを選びたくなるというのが、私の率直な感想。
 また、FIT3で偉いのは、RSのみならずフツーの1.3L車にもMTを残してくれていることだ。この点は、自称MT派の私は、大いに評価したい。
 ただし、インテリアもエクステリアもなんとなくビジーで、普遍的な心地良さというか美しさには、欠けると思う。全体のデザインがやや未消化なのが、なんとも、惜しい。ここはマイチェンに期待したいですネ。


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