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キャベツの白漬けというのは、私が勝手につけた名前である。
以前勤めていた病院は浅草に近い、蔵前のほうにあり、
近くに小さな中華料理屋があった。 下町らしいごく気さくな店だ。
ここは若いサラリーマンに人気がある。 うまいのも、うまいが
ボリュームが若い胃袋を満足させるからだ。
この店、知らずに大盛りを頼むと、ご飯ものでも麺でも、
びっくりするほどの量が出てくる。 店のオヤジは、若い
サラリーマンがご飯の大盛りを頼むと、いたずらっぽく笑いながら、
丼ぶりに高々と山のように盛りつけているのを何度も見た。
私も夏に冷やし中華の大盛りを頼んだら、ラーメン丼ぶりに
山盛りに出されて、食べきるのに往生したことがある。
店には自慢の漬けものがある。 それは細長い店の奥に、デンとすえられた
大きな丸いガラスの容器に入った、キャベツの漬けものだ。 ガラス容器の
中は、まるで牛乳のような白い液で満たされていて、その中に、大きくザク
切りにされた大量のキャベツが漬けられている。
これがうまい。
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盛って出してくれる。 パリパリとした浅漬けの食感なのだが、味はただの
塩味ではなく、さわやかな酸味がする。 白い液の正体は、なんと日本酒を
発酵させたものだそうだ。 だが酒の匂いはまったくしない。
以前、これを自分で作ってみたくて、試したことがある。 日本酒を一升、
漬物用のガラスビンに入れて、キャベツを大ぶりに切って漬けてみた。
結果はさんざんだった。 待てど暮らせど、キャベツは透明な日本酒に
ただ浸っているだけで、食べられるようなシロモノじゃなかった。
最近、スーパーの乳酸菌などを売っているコーナーで、カゴメの植物性乳酸菌
飲料のラブレというのを見つけた。 調べてみると、京都の伝統的な漬けもの、
スグキからみつかった植物性の乳酸菌だという。
ピンッときた。
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の漬けものに近いものができるんじゃないかな?
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そこでやってみた。 キャベツを大ぶりに刻み、乱切りのキュウリを加えて
塩を振りもむ。 そこに、おぼろげな記憶を頼りに、少しの山椒の実と生姜も
入れ、ラブレ2本を加えてみた。 思ったとおりだった、漬け汁は薄く白濁し、
あのオヤジさんのキャベツ漬けにかなり近いものができた!
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キャベツ1個にキュウリ3本で、塩小さじ2、3杯の塩加減。
あまり塩辛くせず、漬け上がって薄かったら塩を足す。
この乳酸菌を入れると、軽い重石でも非常に早く水があがる。
早く重石が外せるから、キャベツがスジっぽくならずにやわらかく食べられる。
そして浅漬けなのに、ちゃんと乳酸発酵したうまい漬けものになっている。
何日かすると、さらに酸味が強くなり、またうまい。
食べきったら、その漬け汁を捨てずに使うと、さらに早く漬けあがる。
水があがるのは、塩分の浸透圧で出てくるのだが、乳酸のためか、
菌の作用によるのかわからないが、ずいぶん早くなるようだ。
からだの形は、生命の器
形之医学・しんそう療方 東京小石川
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