形之医学・しんそう療方 小石川院長 エッセー

昭和の頃、自然と野遊び、健康と医療のことなど。

夏の花・ムクゲ

2011-08-25 17:24:52 | Weblog

ムクゲが盛んに咲いている。
いたるところで見る花だ。
色は白から、ピンク、赤、青などいろいろある。

写真の色のものを見ていると、その色に吸い込まれるような感じがする。
これは何色というのだろう。 
青でもないし、ピンクともいえない。 薄紫か。
独特の透明感がある。

ムクゲの花期は長い。
初夏から秋にかけて、3、4ヶ月はゆうに咲いている。
花は1日から数日で落ちるそうだから、次から次へと花をつけるのだろう。
この様子から、「無窮花」(ムキュウゲ)という名もあるという。
アオイ科の植物で、仲間にはハイビスカスや、芙蓉(フヨウ)がある。
                   

形之医学・しんそう療方 東京小石川
http://www.shinso-tokyo-koisikawa.com/


[ 警告]当ブログ内に掲載されているすべての文章の無断転載、転用を禁止します。すべての文章は日本の著作権及び国際条約によって保護を受けています。Copyright shinso koisikawa. All rights reserved. Never reproduce or replicate without written permission.
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

池に落ちたターザン

2011-08-23 17:51:59 | 昭和の頃

私がまだ幼稚園の頃、子供たちはよく集団で遊んでいた。 
あるとき近所で、中学生ぐらいの子が隊長になって、
名前は忘れたがかっこいいグループがつくられた。 
7、8人ほども集まっていただろうか。 月々5円か
10円の会費を積み立てて、いろいろな遊びに使うという、
ワクワクするような話だった。

ある日、隊長から池上本門寺でターザンごっこをやるから、
連れてってやるといわれた。 日曜日にみんなが集まり、
一列縦隊になって池上本門寺に向かった。 しんがりは、
その中で一番幼い私だった。

途中で駄菓子屋に寄り、きれいに巻かれた白い綿の
ロープを、積み立て金で買った。 細いロープだった。 
その頃の駄菓子屋には、そんなものまで売っていた。 
みんなのロープ! それだけでもワクワク感は高まった。

30分ほど歩くと池上本門寺に着く。 広い本門寺の境内の
裏手には、林の中に小さなプールほどの大きさの池がある。 
現在あるのとは、少し位置が違うように思う。 池は大きな
石や木々に囲まれ、さほど深くない。 そこで池の上に張り
出している木の枝にロープを掛け、それにつかまって、池の
端の大きな岩の上から、ターザンよろしく雄叫びをあげながら、
反対側に渡るのである。

少年たちの頭には、密林の王者、ワイズ・ミューラー扮する
ターザンの姿が自分と重なっていたに違いない。 
その頃、あのほれぼれするような、ジャングルに響く叫びは、
少年たちを夢中にさせていた。

隊長から始まり、次々に雄叫びを上げながら渡っていった。
最後に一番小さな私の番がきた。 私も真似をしてロープにつかまり、
「あ~ あ~ ア~ッ!!」 とぶら下がった。ところが、雄叫びの
最後の 「ア~ッ!!」 は、みんなと違って悲鳴だった。
小さな私は握力がなく、ロープをつかんでいられずに、池に落ちていった。 
池の水はあまり落ちたくない色をしていたが仕方ない。 
隊長はすぐ池に飛び込み、ずぶ濡れの私を助けにきてくれた。

あの頃はみんな貧しかったが、今よりもずっと、
ほんとうは豊かだったように思う。


からだの形は、生命の器
形之医学・しんそう療方 東京小石川
http://www.shinso-tokyo-koisikawa.com/


[ 警告]当ブログ内に掲載されているすべての文章の無断転載、転用を禁止します。すべての文章は日本の著作権及び国際条約によって保護を受けています。Copyright shinso koisikawa. All rights reserved. Never reproduce or replicate without written permission.
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

錆びたジェットコースター

2011-08-18 12:45:50 | 昭和の頃

小学校の頃、多摩川園の次に遊びにいった遊園地は、
二子玉川遊園地だった。 こっちは家から少し遠く、
たまにしか行かなかったが、多摩川園より規模が大きく、
古いジェットコースターがあった。

今のジェットコースターに比べたら、オモチャみたいなものだが、
私たちはそれで十分にスリルを楽しんでいた。 ゴトンッ ゴトンッと
最上部にゆっくり上がると、近くの多摩川がはるか眼下に見え、
とても高く感じる。 そこから思わせぶりに、ゆっくり進んでから、
ドーンッと一気に下ってぐるぐる回り、あっというまに終わってしまう。


ある日曜日、友達と連れ立って二子玉川園に遊びに行き、ジェットコース
ターに乗るために列をつくって並んでいた。 待っている途中で友だちが、
ジェットコースターが走る鉄骨が、あっちこっち錆びているのに気づいた。
止めてあるボルトも真っ赤に錆びている。

「これさぁ、錆びてるから、折れるんじゃないかな~」 とつぶやいた。

みんなは鉄骨を目で点検し始めた。 それまで気にもしなかったが、
よく見れば凄い錆び方で、ペンキなんかあっちこっち剥げている。

「このボルト、もしかして、外れるかもしれない・・・・」

ジェットコースターがテッペンまでいったとき、鉄骨と一緒にガラガラ
崩れる落ちる光景や、急カーブで脱線して、空中を吹っ飛んでいくのが
頭に浮かんだ。

私たちは並んで待っているあいだに、妄想で口数が少なくなり、
ほんとうは逃げ出したい気分。  ついに順番がきたときは、
もうこの世の終わり、母ちゃんサヨナラー!みたいな。     
でもオンボロコースターは、軋みながらも、私たちを無事
終点まで運んでくれた。


からだの形は、生命の器
形之医学・しんそう療方 東京小石川
http://www.shinso-tokyo-koisikawa.com/


[ 警告]当ブログ内に掲載されているすべての文章の無断転載、転用を禁止します。すべての文章は日本の著作権及び国際条約によって保護を受けています。Copyright shinso koisikawa. All rights reserved. Never reproduce or replicate without written permission.
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

薬草・ゲンノショウコ

2011-08-12 13:24:00 | 自然と野遊び

はじめてゲンノショウコを見たのは、夏の城址公園だった。 
実際にはどこかで何度も見ていたのかもしれない。 
気をつけて見れば、それほど珍しい野草ではない。

これがゲンノショウコとわかったのは、咲いていた花を調べてだった。 
民間で古くから薬草としてよく知られている。 
名前は「現に効く証拠」から、「ゲンノショウコ」と大昔につけられたという。
おかしいほどそのままの名前だが、それほど効能ありということか。

子どもの頃、母親に飲まされたような気がするが、どんな味だったのか、
おぼえていない。 たぶんセンブリのように苦くはなかったように思う。 
健胃整腸薬として、胃の調子が悪いときや下痢のときになどに使われるようだ。

葉の切れ込み方が、キンポウゲ科の植物によく似ている。 
キンポウゲ科の植物には、毒草として有名なあのトリカブトがある。 
田舎の古くからの家々では、花で確かめた後の土用の頃に、
自家用の薬草として採取したという。 フウロソウ(風露草)科で、
花はトリカブトとはまったく違い、花を見れば間違えることはない。 
ピンクの花もある。



ゲンノショウコが種をつけ、それが弾け飛んだあとは写真のような形になる。 
お神輿(みこし)によく似ている。 ゲンノショウコの別名を「神輿草」という。
                      

形之医学・しんそう療方 東京小石川
http://www.shinso-tokyo-koisikawa.com/



[ 警告 ]当ブログ内に掲載されているすべての文章の無断転載、転用を禁止します。すべての文章は日本の著作権及び国際条約によって保護を受けています。Copyright shinso koisikawa. All rights reserved. Never reproduce or replicate without written permission.


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

山形の郷土料理・ダシ

2011-08-03 18:13:49 | Weblog

山形の<ダシ>は夏真っ盛りの今にぴったりな料理だ。
暑さに弱く、毎夏には食欲が減退する私には欠かせない。
最近はスーパーなどでも売られているが、自分で簡単にできる。

早い話が、細かく刻んだ生野菜の、日本版醤油サラダといっていいだろう。
昔、これを初めてご馳走になったときはちょっと抵抗があった。 
キュウリはいいが、ナスやシシトウを生で?! 
というのが、その抵抗感のもとだと思う。
しかし食べてみれば、なるほどな~ と思う。
素材だけの味が溶け合った、うまい田舎料理なのだ。


主になる材料は、ナスとキュウリ。 
そこに、シシトウ、大葉、ネギ、ミョウガ、青唐辛子などが加わる。
好きずきで、何を入れてもいいし、嫌いなものは省略すればよい。
山形でも地域によると、ナスだけというところもあるようだ。

これらを細かく刻んで混ぜ合わせ、醤油をかけたら出来上がり。
すぐに食べてもいいし、少しおいて馴染ませてもいい。
ナスとキュウリ1個づつ使って、他の野菜も入れると、かなり多めになる。
あまったら冷蔵庫に入れて、翌日は醤油の滲みたのもうまい。


あっけないほど簡単な料理だ。
だがこれを熱い飯にのせて食べてみたら、そのうまさはわかる。
料理は手間をかけなくても、うまいものは出来るという見本のような料理だ。
                   

形之医学・しんそう療方 東京小石川
http://www.shinso-tokyo-koisikawa.com/






コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする