形之医学・しんそう療方 小石川院長 エッセー

昭和の頃、自然と野遊び、健康と医療のことなど。

1万個の実をつけるトマトの話から(Ⅰ)

2011-12-24 14:03:01 | Weblog
数年前の産経新聞に筑波大学名誉教授、村上和雄先生の話が載っていた。

「 生態系の高度なレベルの、有機的な秩序を保つ自然原理 」
 について先生は書かれている。


1万個の実をつけるトマトの木は、遺伝子の組み換えをしたものではなく、
普通のトマトの木だという。 これは、以前に私もテレビで見たことがあった。 
1本の木から何千もの枝を出し、そこに実をつけている様子は圧巻だった。


この秘密は<人工的な水>だからできることで、 もし<自然の土>の中だと
出来ないそうだ。 1本のトマトの中に、1万個もの実を成らせる遺伝子情報が
書き込まれていることも凄いが、なぜ、自然の中ではそれだけの実が成らないのか? 

それは、
「 生態系全体の中で< 適正な成長規模 >を守り
 全体の循環の連鎖を保つため 」 と書かれている。

そして 「 大自然の偉大な力、サムシング・グレートにより生かされていること 」、 
地球生物の中の一つ、人類の危惧についても。

-続く-



形之医学・しんそう療方 東京小石川
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1万個の実をつけるトマトの話から(Ⅱ)

2011-12-23 13:35:07 | Weblog

長いあいだ、野生生物の中でも、他の生物にとって脅威となる、
力の強い、たとえばライオンや豹、猛禽類のワシやフクロウが
なぜ少数で、産む個体数も少ないのか、不思議に思っていた。 
魚など水に棲む生物も同じだ。

昆虫のトンボなども同様で、子どもの頃、男の子に人気のあった、
大きくて力の強い鬼ヤンマや銀ヤンマはごく少なく、赤トンボや
シオカラトンボは個体数が多い。

なぜ、スズメと同じぐらいの数のワシがいないのだろう?
シマウマと同じ数ぐらいのライオンがいないのはなぜか?

スズメバチの中でも、最も大きく獰猛な大スズメバチが、
他のハチより、ずっと数が少ないのはどうしてだろう?

むろん強い生物の数が増えれば、その強いものも含めた全体が
滅びていくに違いない。 こうしたことは全体のバンランスを保つ
ために必要だから、という考えもあるだろう。 
だがなぜ、全体がバランスを保ち、維持されなければならないのだろう? 
なにも、自然の中で絶滅しても、それもまた" 自然 "のように思えるのだが・・・・。


前回紹介した、「1万個の実をつける、トマトの木の教え」の中で、
村上教授は科学用語の<最適規模・最適値>という言葉を紹介されている。

『 ある生物が、置かれた環境の中での最適な数や量のことで、
自然界は非常にうまくこの最適規模を守っている。 生態系という
高いレベルの有機的な秩序が保たれていくために、最適値がある。
 』


他にも、小さい水槽で沢山の金魚を飼うと、小さく育ったままだが、
大きな水槽に移して、少数で飼うと驚くほど大きくなるのをテレビで
見たことがあるが、これも同じような意味をもつのではないだろうか。

私が一番興味があるのは、全生態系のそれらを仕組んでいるものは、
いったい、何者? ということだ。

村上教授がいわれる、大自然の偉大な力、
<サムシング・グレート>とは、
いったい何の意志なのだろうか。


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ひきずりうどん

2011-12-15 14:25:04 | 男の料理

ひきずりうどんは、山形の郷土料理だが、同じようなものが東北の
各地にあるかもしれない。 みんなで鍋をつつくような感覚の、
これからの寒い季節向きで、東京に住む友人たちにも大好評の料理だ。 
栄養のバランスもとてもいい。 ただ基本的に納豆が中心なので、
これが苦手の人は素通りしていただきたい。



<つくり方>

★ 納豆に生卵を割り入れてかき混ぜ、そこに粉末のカツブシを入れた
小鉢を、1人に一つづつ用意する。 これがベースになる。 
ダシになるカツブシは、スーパーで売っている安い粉末のものがいい。 
山形では場所によって、カツブシの代わりに、サバの水煮缶を崩して
使うところもある。 
納豆 + 生タマゴ + ダシになるもの + 醤油、これが基本になる。

あとは決まりはなく、ここに好みで、刻んだ菜っぱのおひたしや、ネギ、
モミ海苔、沢庵でも何でも漬物を刻んだものを入れる。 
山形だとオミ漬け、青菜漬けあたりか。 味付けは生醤油に限る。 
甘い蕎麦つゆはこれには向かない。

★ うどんを用意する。 私はこれに限っては、細目のうどんが合うと
思うが、それも好みで。 乾麺でも、生でも、冷凍うどんでもよい。

土鍋に熱い湯をはり、そこにゆでたうどんを入れて、みんなで上記の
小鉢にうどんを取ってからめ、食べるだけである。 ダシが足りなく
なれば、カツブシ粉を足す。 一人一玉では足りない。 予想外に
たくさんのうどんを食べてしまうので、多めに用意しておいたほうがいい。


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心の傾斜

2011-12-09 18:23:33 | Weblog

自分では理由がよくわからないが、なぜか心惹かれるものって
誰にもあるのではないだろうか。 心の傾斜といってもいい。 
いろいろなものについてあると思うが、私の場合、一つは冬の景色だ。 
これがなぜなのかどうもわからない。

考えられるのは、私が北国の山形の生まれだからかと思う。
しかし生まれてまもなく、両親に連れられてずっと東京に住んでいた。

かなり昔の映画に、リチャード・バートンが主演で、若い頃のクリント・
イーストウッドも出ている「荒鷲の要塞」という戦争アクション映画が
ある。 これを飽きもせず繰り返しビデオで見ていた。 冬の山岳地帯
にあるナチスの要塞に潜入して、連合軍の機密情報をドイツ軍に漏らし
ているスパイを探り出すという映画。

見過ぎて一度テープがだめになり、買い換えて何回見たかわからない。
スジはもちろん、次に何を言うか、セリフも憶えてしまっているのに、
自分でも妙だなと思っていた。 あるとき、この映画にふんだんに出てくる、
雪景色をぼんやり見ている自分に気がついた。

冬の沢もいい。 冬の沢などというと、寒いのが苦手の人は驚くかもしれない。
冬枯れの落葉樹の葉が落ちた、明るく澄んだ沢にカーンッと響く感じが好きなのだ。 
木の葉が少ないので音が冴えて広がり、キツツキの木を突く音などは谷全体に
響き渡る。 冬の禅の厳しい雰囲気に憧れ、霜柱をザクザク踏みながらの
剣の稽古も好きだった。 遺伝子の中にそういうのがあるのかな。
                    


形之医学・しんそう療方 東京小石川
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