カリフォルニア徒然草 または武蔵国人覚書

ダンナの海外赴任のため、想定外のアメリカ暮らしを経験。
日常のふとした出来事を、心覚として綴っています。

中山道の旅(5)奈良井宿

2010-09-28 19:05:11 | 日本でお出かけ
中山道2泊3日の旅も、最終日を迎えました。

今回の旅は非常に天気に恵まれ、連日晴天続きなのは結構なのですが、
ウチらとしては弱冠、当てが外れたことがあります。

ウチらは山の中=残暑厳しい東京より涼しいに違いない!と期待してたんですが、
蓋を開けてみたらば、ここいらの街道沿いは、山里といってもほとんど谷間にあって、
標高はせいぜい600m程度。
確かに、コンクリートジャングル東京に比べれば、木々が多いので風は爽やかですが、
好天のせいで日差しはキツく照りつけて、あまり「涼しい」とは感じられなかったのです。

そこで、時間にはまだ余裕があるので、ちょっと寄り道して
木曽谷の霊峰、御嶽山に、途中まで登ってみることにしました。

王滝川沿いに山に入り、御岳湖に沿って進みます。湖の奥で橋を渡って王滝村に入ったら、
スキー場の標識を目印に山頂方面に上っていきます。

余談ですが、この湖を更に奥に進んでいくと、御嶽山麓自然湖があります。
昭和59年に起きた長野県西部地震の際の御嶽山の土砂崩壊で堰き止められてできたもので、
天災で自然に出来たものだから特に名前が無く、「自然湖」と呼ばれているんだそうです。
この自然湖をカヌーで探検するツアーもあるので、冒険好きの方は是非どうぞ!

狭いクネクネした山道を登っていくと、少し風が涼しくなってきました。(←無理やり?)
かなり登ってきたところで清滝に到着。
深い谷の奥から流れ落ちた水が、大きな岩の間を、
音をたてて勢いよく流れ下ってきます。

険しい山頂が特徴的な御嶽山は、神が宿るとされ、
山そのものが信仰の対象となっています。
この滝にも(写真では遠すぎてよく分からないでしょうが)注連縄が張られていて、自然と厳粛な気分になります。

涼しい風とマイナスイオンをたっぷり浴びて満足な二人。
山道はまだまだ続きますが、今日これからの予定もあることだし、ここらで引き返します。

戻る途中、御嶽山岳歴史文化会館にある喫茶店ひだみで一風変わった食べ物にトライ。
ひだみコーヒーひだみサブレです。
本当はひだみパイが食べたかったんだけど、時間が早すぎてまだ焼きあがってなかった。
残念。

“ひだみ”ってのは、この辺りの方言で“どんぐり”のことです。

来た道をまんま引き返し、国道19号線(中山道)に出たらを北へ、塩尻方面に進みます。
途中いくつかの宿場町を通り過ぎ、鳥居峠で長いトンネルを抜けると、
中山道34番目にして最大の宿場町、奈良井宿に到着です。
到着が遅くなったため、予定していた南側の駐車場は満車だったので、もう少し先に進み、
奈良井駅に程近い駐車場に車を置いて、北側から町に入りました。
かつて「奈良井千軒」と称されるほどの賑わいを見せたという宿場町

旧街道沿いには今も、約1kmに渡って200軒余の伝統家屋が建ち並んでいます。

旅館あぶらや

現在も営業中です

出梁造、千本格子、軒灯

時代劇のセットの中に迷い込んだかのようです。

店先の商品の上に鎮座する
猫ちゃん

得意技は“ねこパンチ”だそう
(客相手にいいのか、おい!)

腹が減っては戦(町歩き)は出来ぬ、というわけでランチタイム
また蕎麦ですが、何か?(笑)

今回、行く先々でお蕎麦を食べましたが、ここのが一番美味しかった
木曽路の代表的な郷土料理の一つが五平餅。これまで訪ねた宿場町でも必ず売ってた。
一般的な五平餅は、すり潰したご飯を串に付け、味噌ダレや醤油ダレを塗って焼きますが、
ここ奈良井宿のはちょっと変わってて、串が無い。なので見た目はまるで焼きおにぎり
食べ終わって店を出ると、行列が出来ていました。
知らずに入ったけど人気店だったのか?


さて、散策再開♪
山が近い!

奈良井宿は、木曽路十一宿の中で一番標高が高い場所に位置しているんです。

この御宅はご商売はやっていないようですが、現在もこの建物に住んでいらっしゃるようです。
正直、不便なこともいっぱいあるでしょうに、、、
住民みんなでこの町並みを守っていることが伺えます。

御宿伊勢屋も、今なお営業中

奈良井宿は、これまでの宿場町の中で一番、道幅が広い。
実際、一般車がガンガン往来してました。

こちらは酒屋さんだけに、店先には見事な杉玉

奈良井宿の出梁造は妻籠宿のより一層、軒が前に張り出しています。
雪が深い地域なので、玄関先で濡れないようにこの形になりました。

奈良井宿の楽しみの一つは和カフェ
伝統的な家屋を活かした飲食店がたくさんあって、雰囲気たっぷり
こちらのお店は築200年の江戸時代の建物を和モダンに改装した和カフェ

二階の席からは町並みが見渡せます。
ムードたっぷりな店内で、珈琲とケーキをいただきながらのんびり過ごすのは、乙なモノです。

下町と呼ばれるこの辺りは道幅が狭く、車の往来もほとんど有りません。
ここでは時間がゆっくり流れているように感じられます。

時刻は午後2時を回りました。
帰りの渋滞を避けるためにも、早めに帰途に着きましょう。
国道19号線を北上し、塩尻ICから中央高速道路に入ったら、後はひたすら東京を目指すのみ
富士山がお出迎え

今回、中山道は木曽谷の代表的な3つの宿場町を訪ねたわけですが、実のところ
“江戸時代の面影を残している”という点では、いずれの町も同じです。
でも実際に3つの町を歩いてみると、それぞれに特徴があるのがわかります。
訪れるなら是非3つ共を、ゆっくり宿場内を散策して楽しんでいただきたいです。