カリフォルニア徒然草 または武蔵国人覚書

ダンナの海外赴任のため、想定外のアメリカ暮らしを経験。
日常のふとした出来事を、心覚として綴っています。

バラ園で癒しのティータイム

2009-05-17 21:28:50 | お出かけ
前々から何度も言ってますが、アメリカのお金持ちの規模はハンパじゃありません。
はっきり言って、日本人の想像の域を遥かに凌駕している。
個人の資産で美術館が開けちゃうって、有り得ないでしょう、普通?
ワシントンD.C.のスミソニアン博物館、ロサンゼルスのゲッティー・センター
そしてこのハンティントン・ライブラリー

L.A.ダウンタウンから北東約15kmに位置するパサデナPasadena。
古くから高級住宅地として開けたこの閑静な街の南のサン・マリノSan Marinoに、
広大な敷地を持つハンティントン・ライブラリーがあります。

正式名称はThe Huntington Library, Art Collections and Botanical Gardens
鉄道王にして不動産王だったヘンリー・ハンティントンの邸宅を開放したもので、
敷地内には、グーテンベルクの聖書など学術的にも貴重な書籍を保管した図書館
ルネッサンス期から20世紀のヨーロッパやアメリカの絵画や美術品を収めた美術館
そして207エーカー(約84ha)もの広さを持つ植物園があります。

とにかく広いので、じっくり見てたら一日で全てをまわるのは不可能でしょう。
庭園だけでも15のガーデンに分かれているし、
美術品や図書館も丹念に見ようと思ったら、何度も足を運ぶ必要があると思います。

ここは、所蔵品もさることながら、庭園の見事さで有名です。
特に見応えがあるのは、サボテンが群生するDesert Garden
ユーモラスなのやらや可愛らしいのやら、たくさんのサボテン達が出迎えてくれます。
注:住宅街の中にある
もと個人宅の敷地内です。

なんでこんなに広い・・・
サボテンってこんなにいろんな種類があるんだ~と驚くやら呆れるやら。
学校の先生と生徒達(笑)

このエリアはとにかく暑いんですけど、面白くって見ていて全然飽きません。
ちょうど花のシーズンだったので、一層見応えがありました。
時にグロテスクでさえあるサボテンに、こんな可憐な花が咲くのかと驚きの連続。
甘い香りに誘われてハチドリも現れました。


もう一つの見所は、静かで落ち着いた雰囲気のJapanese Garden
狛犬がお出迎え。

・・・神社じゃないんだけど。
錦鯉が泳ぐ池には太鼓橋。

くどいようですが、住宅街の中にある、もと個人宅の敷地内です。
広い・・・
手入れの行き届いた庭園は、日本人の目から見ても「天晴れ!」と言いたくなるほど
実に見事なもの。
古い日本家屋には時節柄鯉のぼりと兜が飾られていました。
枯山水まであるのには脱帽ですね。


そして1500種、4000株のバラが咲き誇るRose Garden
今まさに見頃といったところ。

ただバラのアーチの下を歩くだけでも心が華やぎますし、
色合いや形の異なるさまざまな品種の名前を確認するのも、また楽しい。
“Princess Michiko”という品種もあるらしいのですが、見つけられませんでした。
残念。。。

実はこのバラ園を臨むティールームでアフタヌーンティーが楽しめるんですよ~
完全予約制で、すごく人気があるので最低でも2週間前には予約した方がいいです!

この建物は1919年築で、ハンティントン氏はゲーミングハウスとして使っていたそうです。
中はこじんまりしてますが、100席くらいは有るでしょう。
更に奥にも、もう一つ同じくらいの広さの部屋がありました。
かつてこの部屋で富豪とその家族や友人達がカードやビリヤードに興じたのか。。。

席につくと、飲み物とスコーン2種がテーブルに運ばれてきます。
出来立てのスコーンはホカホカで、バターやクリームがよく合う♪
その他に、サンドイッチやプチケーキ、フルーツなどがバフェ形式で供されます。

お味の方は、、、総合的に評価してまずまずといった所ですね。
サンドイッチやサラダもクセがなくてよかったけど、
ケーキはアメリカンタイプなので日本人にはちょっとハードかな(苦笑)
プチケーキとフルーツは美味しかったですよ。
食べ切れなかったスコーンはお持ち帰りできます。

一人25ドルはちょっとお高めですが、スコーンは文句無く美味しかったし、
“窓の外に緑と花を愛でつつ、洒落たお屋敷でティータイム”ってのがポイントですから、
充分満足しました。
The Rose Garden
Tea Room and Café


※ホームページ→こちら

ちなみにティールームの隣のカフェは予約無しで利用できますので、
アフタヌーンティーでなくても、散策の途中でちゃんと一息いれられますからご安心を。

食後の腹ごなし(?)に、美術館と図書館も軽く見学しました。
美術館の展示品は、日本人に馴染みのある画家の作品というのは無かったですが、
いずれも趣味の良いものだと思いました。
“ピンキー”
“ブルーボーイ”

作者は異なりますが、画風やテーマが似ていてまるで一対のようです。

絵もさることながら、お屋敷の居間や図書室が当時の状態で見学できるのは面白い。
居間でしょうか。
贅沢な調度品の数々
書斎というより、既に図書館のようですね。

書棚の彫刻やタペストリーが見事です。

図書館の方にはグーテンベルクの聖書や、ガリレオやニュートンの著書があったりして、
所蔵品の学術的価値の高さが窺えます。
こちらはガリレオの著書。
内容は地動説かな・・・
この日は企画展が行われていました。
ハンティントン氏は相当な趣味人だったんだろうな~などと想像しながら見てました。

余談ですがここ、第一木曜日はなんと入場料無料なんですって!
ただし前もってチケットを買わなきゃいけないそうですが、
有閑マダムのティータイムには嬉しい情報じゃありませんか。

たまにはハイソな午後を過ごしたい気分の時、足を伸ばしてみてはいかがでしょうか。
Huntington Library

1151 Oxford Road
San Marino, CA 91108
(626) 405-2100

※ホームページ→こちら

入場料:[ティールームとは別]
・大人$15(土日祝日は$20)
・学生$10