カリフォルニア徒然草 または武蔵国人覚書

ダンナの海外赴任のため、想定外のアメリカ暮らしを経験。
日常のふとした出来事を、心覚として綴っています。

政治と教養の街ワシントンDC(2)スミソニアン博物館

2008-09-15 09:18:08 | 旅行:東海岸主要都市周遊
午前10時過ぎにはワシントン記念塔の見学が終わりました。
ちょっと一息入れたら、次の目的地に移動します。

モールは、ワシントン記念塔を中心に、西側にはモニュメントが点在していますが、
東側にはミュージアムが立ち並んでいます。いわゆるスミソニアン地区です。

世界最大の博物館・美術館と研究機関を総括するスミソニアン協会の名は、
日本でもよく耳にすると思います。
俗に“スミソニアン博物館”と言われますが、その実態は一つのMuseumではない。
先ほど記念塔の上から見たように、ここだけでざっと10の美術館・博物館があります。
(モール外のDCにも5つ、ニューヨークにも2つの美術館・博物館、動物園がある)

科学、歴史、芸術など多岐にわたる分野の膨大なコレクションを保有しており、
しかもなんとこれらをタダで見学させてくれるんです。
さすがアメリカの金持ちはケタが違う。太っ腹!!
ワシントンDCに来たなら、全部は無理でも幾つかは是非見ておきたいものです。

スミソニアンの数ある博物館の中で最も古く、そして一番人気の高いのが、
国立自然史博物館National Museun of Natural History
ここのテーマはずばり、“地球”。
コレクションは地球が誕生してから46億年の間に自然界に存在するもの全てを網羅し、
その数なんと約1億2600万点!! 多すぎて見当もつかんわ。。。
スミソニアンのコレクション全体の95%を占めるというから、半端ではないですね。
まさしく世界最大の博物館なのです。

正面入り口から簡単な手荷物チェックを受けた後入場。
館内に入るとまず、広い吹き抜けのホール中央に巨大なアフリカゾウがお出迎え。
1955年に捕獲されたもので、体長3.9m、体重8トン。

これまでに捕獲されたゾウの中で最大なんだそうです。

入り口から右は、生物の起源を知る化石のコーナー。
地球誕生とほぼ同時期に存在していた約46億年前の岩石とか、
世界最古の化石
Stromatolites
とか
植物の化石Fossil Plantsのコーナーもあります。
奥がFossil Cafeというカフェテリアになってました。

朝早くから活動したので少々疲れを感じた我々、
11時前とちょっと早いのですが、ここでランチ休憩をとることにしました。
テーブルの中にも
化石が展示されてるの!

なかなか凝ってますね。

いま思うと、早起きだけじゃなく時差ぼけもあったんでしょうねぇ(ロス+3時間)
お腹が膨れたら眠くなっちゃって、テーブルでついウトウト
ちょっと休憩のつもりが、結局一時間もここで過ごしてしまいました~
(アメリカでは本当はこういう事は危険ですから、皆さんはマネしないでください

ひと休みしたら元気が出たので、あらためて気合を入れて見学再開。
なんせ広いんだから、単にひと回りするだけでも大変。。。

館内で一番人気の恐竜の化石Dinosaursの展示室。
吹き抜けの室内には、所狭しと恐竜の骨格が展示されてます。
これだけの数の化石標本がほぼ完全な形で展示されてるのは、本当にスゴイ!
ティラノサウルス
ディプロドクス
ステゴザウルス
トリケラトプス
etcetc、、、



ここでは大人も子供も夢中で写真を撮ってました。

海洋生物のコーナーもあります。
これは亀ですね。
ジュゴン?

背景には実際の姿が描かれてます。
案外、今の姿と同じものが多い。

貝の化石です。

中央が変質して
まるで宝石のよう

哺乳類の化石Fossil Mammalsのコーナーでは馬の進化の過程が面白かった。
馬の祖先は猫くらいの大きさしかなくて、体型も今の馬とは随分違ってるんですよ。
他にもイヌやウサギの先祖の化石なんかがあります。みんな今より相当小さい。

氷河期Ice Ageの哺乳類といえば、これ。
マストドンMastodon
ゾウの祖先。
見事な牙!!

その奥にのほぼ完全なマンモスの化石の骨格標本も圧巻。

もう一つ面白かったのは、こちら。
約2万8000年前の
バイソン


アラスカで氷づけの状態で発見されたもので、なかなか生々しい。

この後、やっと人類の登場。
類人猿からホモサピエンスまでの進化の過程は、頭蓋骨の比較で。
ネアンデルタール人の埋葬儀式が再現されてるのは、想像によるものとはいえ興味深い。

2階で人気が高いのは、鉱物と宝石Minerals and Gemsのコーナー。
女性の目がキラキラするのは言うまでもないことですが、
何せここに展示されているのは“世界最大”という冠のつく逸品ばかり。
男性でさえ目を奪われ、陳列台を魅入って、いや見入っていましたよ。
フランス王妃マリー・アントワネットのダイヤのイヤリング
皇帝ナポレオンが皇后マリー・ルイーズに贈ったティアラとネックレス

左のローガン・サファイアLogan Sapphireは423カラット、
右のカルメン・ルチア・ルビーCarmen Lucia Rubyでも23.1カラットあります。

そしてこのコーナーの白眉と言えばホープダイヤモンドHope Diamond
なんてったって、これだけで一つのコーナーは設けられているくらいで、
その周りには常に見物人が絶えません。
45.52カラットのブルーダイヤ。

この宝石とその持ち主が辿った数奇な運命から、別名“呪いのダイヤ”とも言われます。

興味のある方はこちらをどうぞ→Wiki
展示台は一定の間隔で回転するようになっていて、4方向からダイヤを見られるよう工夫されてます。

2階にはこの他、爬虫類、昆虫、骨格のコーナーもあります(我々はパスしました)。
あと、西欧文明コーナーではラスコー洞窟の壁画を描いている状態の復元ジオラマ、
世界4大文明に関する展示では世界史の授業で習った事に関連する品々が並んでます。

1階のロビー左側は、哺乳類のホールHall of Mammals
この博物館ご自慢のセクションで、最近改修されて展示方法が変わったんだそうです。
剥製をジオラマの中に置く従来の方法から、実際の哺乳類の生活の瞬間をとらえた、
生き生きと躍動感溢れる展示となっています。
ライオンがバッファローを襲う瞬間。

迫力があります。
一部はガラスがない部分もあって、臨場感たっぷり。
頭上にはチーターとその獲物。

奥には餌を食むキリン。

まるでサファリパークに居るようです。


かなり駆け足で見て回りましたが、それでもひと通り見終わったのは午後1時半。
ランチ&昼寝の時間を除いても2時間はかかった計算です。
地球の46億年の歴史を見て回るのは、やはり楽じゃありませんね。
でも楽しかった~ 何だか童心に返ったひと時でした。

国立自然史博物館
National Museun
 of Natural History


Constitution Ave.
 bet.9th&12th Sts.

※ホームページ
こちら