ヴィジュアル系の元祖の元祖、
あるいは、
SADISTICAL PUNK、
D'ERLANGER
の新作が2年ぶりにリリースされました!!
その名も、彼らに相応しい、
J'aime La Vie。
英語に直すと、「I love life」。
aimerは、love、lieben。
このタイトルを聴くと、この曲が思い浮かびます…(;´・ω・)
これ、昔、よく聴いたような、、、
…
それはそれとして、、、(;´・ω・)
デランジェの新作ですよー。
1980年代に結成して、その末期に大ブレイク。
1990年には解散してしまい、その後メンバーは各々活動を続けまして、
2007年に、まさかまさかの「復活」。
その劇的な復活から今年で10年。
再結成してから10周年を迎えるメモリアルアルバムでもあります。
このアルバムがリリースする直前に、一曲だけ公開されました。
バライロノセカイという楽曲でした。
前作の最後の曲「CRAZY 4 YOU」に通じるキャッチ―な曲。
それでいて、どこか切なさと甘さがあって、、、
往年のファンなら、きっと涙を流して聴いたことでしょう。
僕も、80年代からのファンとして、涙して聴きました。
…
思えば、これだけ凄いバンドなのに、いっぱいいい曲があるのに、
ヒット曲をまだ出していないんです。
…でも、それって、別に悪い事じゃなくて、、、
まだヒット曲がないからこそ、「次」を目指して頑張れるわけで…
そんな「野望」を、この作品に感じることができます。
では、全曲解説!
1.Kilmister=Old NO.7
デランジェと言えば、昔の昔からアルバム一曲目はSEって鉄則があります。今回のSEは、これまでと雰囲気ががらりと変わって、どこか中東っぽいテイストのSEになっています。神秘的な宗教的音楽を独自に解釈した感じですね。この曲、44秒で終わっているんです。44と言えば、もうあれしかないですよね。44MAGNAMに捧げるSE…になっているとかなっていないとか。Kilmisterは、2015年に亡くなったレミー・キルミスターから取ったっぽいです。いわゆるヘビメタの元祖的存在。デランジェも元をたどれば、メタルだったわけで…。なんか、色々と考えてしまいますね。Old NO.7って、、、(;´・ω・)
2.Harlem Queen Complex
デランジェの二曲目は、だいたいショートソング。今回も、わずか1分25秒の曲になっています。いや、わずか1分25秒なんですが、その中に、色んな要素がぎゅっと詰まっているんです。とにかく圧巻の1分25秒ですよ。Kyoの「ah ah, ah ah ah」が頭から離れない(苦笑)。曲の展開も早くて、バンバン曲が変わっていきます。1分25秒の奇跡です! あああ♪…
3.Harlem Queen Romance
2曲目と3曲目のタイトルが被っているのはなんでなんだろう? いよいよアルバム「J'aime La Vie」の本番スタート。いきなり、パワフルで重厚でハードな曲がぶっ飛びます。でも、これまでとなんか違う。ものすごいポップ、というか、キャッチ―なんです。この数年、デランジェは「マニアック路線」を突っ走ってきた気がするけど、再結成10周年目にして、キャッチ―路線に戻ってきた!? 正直、このところ、デランジェ熱が下がってました(マニアックな曲が多くて…)。でも、この曲で、一気にまたデランジェ熱が上昇しました。
4.LOVE is GHOST
今度は、ヘビーでラウドで横ノリサウンドのLOVE is GHOST。再結成後のデランジェのある種「常とう曲」かな!? この10年、こういう曲が毎回収録されている気がします。僕的にも、こういう横ノリロックはもっと聞きたい。大人のロック感が半端ないです。サイファのギターのキレも抜群です。あと、アルバムのクレジットを見ると、Ruriko Kubouさんがコーラスをしているらしい。え? 久宝留理子? この曲と8曲目と9曲目だって! たしかに「If you love me baby」ってところ、久宝さんが歌っているように聞こえなくもない! あと、キーボードはソフィアの都さん。この人もいい仕事をしています!!
5.バライロノセカイ-Le monde de la rose-
そして、今回のアルバムの「代表曲」。4の次に聴くと、この曲、めちゃめちゃ輝いて見えます。お世辞でもなんでもなく、デランジェの歴史上、最も輝いている曲になっていると確信します。いや、Kyoやサイファの数々のバンドの中でも、最も輝いている曲のような気がします。余計なものは全部剥ぎ取って、どこまでもシンプルな音で、これまでの全キャリアを総括するかのような楽曲。しかも、2分49秒っていう…。もう圧巻なのは、2分49秒の曲なのに、全部が詰まっている、ということです。これはあり得ない。短い曲なのに、どこまでも「永遠」を感じられるって。この曲は、売れてほしいなぁ。っていうか、この曲が鳴り響く世界になってほしい。Kyoの歌って、本人も昔言っていたけど、決して万人受けするタイプじゃない。でも、Kyoにしか表現できない世界がある。それが、この曲のタイトル「バライロノセカイ」なんだと思う。しかし、「DARLIN' 狂い咲く夜 薔薇色の世界」って…。全くブレのない歌詞であります♪
6.Je t'aime
今回のアルバムで僕が個人的に一番キュンってした曲がこちら。このギターのリフ、ずるい…。ずるいっていうか、ヤバい(苦笑)。なんてことないんだけど、この泣きのギターリフがサイファなんだよなーって。DEAR SECRET LOVERを思い出させる感じがなんともたまりません。なんか、今回のアルバムって、「J'aime La Vie」という映画を見ている感じがする。曲的には(コード展開的には)、CRAZEの「刹那夜」に近い感じかな。まー、往年のファンならみんなきっとこの曲を聴いて泣いてるんだろうなー。あと、Bメロがどこか「柘榴」っぽくて、ニヤリとしてしまいました。サビのドラムのリズムは、個人的にとても勉強になりました。哲ちゃんのドラムは、ホント、いつもいつもカッコいいです。なんで、こんなにカッコいいんだろう。哲ちゃんのドラムが聴けるのは、デランジェだけ! この曲は、日本の演歌っぽさと欧州のポップスの要素がうまく重なっていて、大好き!!
7.Vanilla
「サイファ、どうしたの!?!?!」って言いたくなるくらいに、めちゃめちゃキャッチ―なギターのイントロリフ!! 来ました(;;)。10年前の「LAZZARO」の魂が甦ってきたのかな!? この曲は、LAZZAROに入っていてもちっともおかしくない曲です。また、バライロノセカイに通じるポップ感溢れる楽曲です。そう言えば、昔、デランジェは「ポストBOOWY」って言われていたりもしたっけ!? なんかそんな感じの曲。それに、Bメロ?とサビ?、どちらもよくて、「なんか二曲のサビを一つの曲にしました!」って感じさえします。これも、シングルにしてほしいなぁー。…っていうか、業界関係者のみなさん、この曲を放っておいていいんですか?? タイアップしなきゃダメじゃないですか?? このまま、アルバムの一曲にしておくのは、とてもとても、、、もったいなさすぎます。…しかし、それにしても、V系のバンドって、Vanilla=バニラ=ヴァニラ、好きですよね…(;´・ω・)
8.Mona Lisa
出だしのドラムの音が好き! カン・コン・タタタタタタっていう哲ちゃんお得意の超高速六連。どこかデカダン=退廃的な匂いが漂うAメロに、どこか黒夢のあの名曲に似てるBメロ、これが無限ループしちゃいそうな錯覚を呼び起こす曲ですね。この曲も「名曲感」があるなぁ。早速、巷では「名盤!」という声が聴こえていますが、ホント、名曲ぞろいですよ。まさに「名曲アルバム」になっています。最後のコーラスもまた注目ですね♪ 大ラスのキーボードも必聴!!
9.Everlasting Rose
いよいよ、アルバムも終盤戦。8に続いて、デカダンな雰囲気が漂いますが、メロは「昭和歌謡」!! Kyoが「昭和歌謡」を歌うと、めちゃめちゃ味があります。いやー、やっぱりKyoちゃんです!!(;;) TUSKも「神」ですが、Kyoもまた「もう一人の神」なんですよね。Kyoちゃんの場合、歌詞がどうこうとかじゃなくて、世界観において。この人の歌の世界観は、絶対に誰も真似できない。この曲では、まさにKyoの世界観がまるごとぎゅっと詰まっています。そこを堪能したいところですね。あと、ギターソロ! サイファのブルージーなギターが存分に楽しめます。オトナのデランジェ、かつてないほどのテンションとゴージャスさを兼ね備えておりますね。最高過ぎます(;;)
10.沈む
リリース前に、一番気になったタイトルの曲。「沈む」って…(;´・ω・)。この曲、スゲー、、、。なんだ、これは…。英語の歌詞がスゲーっていうのもあるけど、なんか、ぶっ壊れてる…。ぶっ壊れているのに、カッコいい。テンポはゆるやかなのに、どんな曲よりも激しい。激しさとゆるやかさが折り重なっている。これは、なんと言えばいいんだろう。めちゃめちゃ情熱的なバラード、というか。嗚呼、どう書いても、この曲の凄さは伝わりそうにない。あと、ベースのソロは必聴! シーラさんの美しくテクニカルな音を楽しめます。シーラさんのベースを味わえるのも、デランジェだけ!! 最後の最後の「音」を聞き逃してはいけませぬ!!!
D'ERLANGER
僕の人生において、最も「カッコいいバンド」。
そのカッコよさに、ますます磨きがかかってきているように思います。
なんだろ。もはや、「唯一無二のモンスターバンド」になりつつある、というか。
最後の「沈む」に象徴されるように、デランジェにしか出せない音がある、いや、デランジェにしか表現できないアートがある。音楽を超えて、アートになりつつあるのを感じるんです。
デランジェは、昔から、「不器用なバンド」でもありました。今も、ある意味で、全然変わらないんです。いつでも、「デランジェ」なんです。ブレがないといえばブレがないんですが、普通であれば、もっと違うアプローチをしようと欲望するはずなんです。でも、そうしないんです。
ラーメン界でいう「変わらないために変わり続ける」というセオリーは、デランジェにおいては通用しないんです。むしろ、毎日毎日、同じスープを炊き出して、どんどんディープにしていく、という感じかな!? 今のデランジェの「味」は、Kyoが加入した1988年から炊き出している創業29年のスープの味に似てる(気がします)。
もう、音に迷いはないし、ブレもない。日々、どんどん魅力的になってきている。ある種、かつてのデランジェが描いていた「未来」のデランジェが、そのまま体現出来ている気がしてなりません。
今回のアルバム、間違いなく「名盤」だと思います。あとは、どれだけの人の耳に届いてくれるか…(;;)
これまでデランジェを聞いたことがない人も、是非是非、このアルバムを聴いてみてください!!!
最後に、もう一度、今回のアルバムの看板曲を!!!
是非、三回、聴いてみてください!!!