Dr.keiの研究室2-Contemplation of the B.L.U.E-

「児童養護施設は汚い大人だらけ、それでも保護されてよかった」YouTubeより

 

ゲスト回vol.3長野県児童養護施設出身可愛い子chan

「児童養護施設は汚い大人だらけ、それでも保護されてよかった」

👇👇👇

動画は軽やかで明るい感じだけど、話している内容はとても深いものだった。

「世の中に伝えたいこと」のところで、こういう発言があった。

①「普通が手に入れられました」

『(施設での日々の生活を語った後)…普通の人間として楽しかったです。なんていうんだろ。施設で楽しめることもあったし、普通の人間として、…普通が手に入れられました。学校帰りとかは普通だと思う…』(12:55~)

普通を手に入れる、普通を与える、普通の人間としての生活を守る、この素朴な言葉に、「ノーマライゼーション」の一つの理念が含まれているように思う。ノーマルな生活、すなわち、子どもにとって負担となるようなことが起こらない静かな生活を与えることが、施設保育士の重要な責務なんだろうな、と。

②「分かりやすい苦しみだけを想像されると…」

『…みんな施設に入っているというと「悲惨なこと」を思い浮かべるから…でも、うちらの苦しみって、そういう分かりやすいところだけじゃないから…。分かりやすい苦しみだけを想像されると、期待が違うっていうか…』(13:30~)

この「分かりやすい苦しみだけを想像するな」というメッセージに、社会的養護の実践者への深い要請があるように思った。

『そうそう、私もよくあるの。「えー、それだけー」って言われるのがショックで。なんでオメーのキャパシティーと比べられなきゃいけないの?!みたいな』

自分の想像力だけで相手の生きた世界を理解するな、と。

このお二人の言葉には、社会的養護の文脈のみならず、「他者の苦しみに寄り添うこと」の難しさとそれを克服するヒントが含まれているように思った。

そして、後半、「児童養護施設で働いている職員さんに」のところでも…

③「大人としてじゃなくて、人と人として」

『…あと、大人の対応が苦手とかむずかしいとかがあったら、大人としてじゃなくて、人と人として、弱い部分もわたしたちに見せてくれれば、わたしたちも協力ができるし、一緒に悩むことができるので、あんまり抱え込み過ぎないで…、わたしたちも力になりたいなって思っていると思う、みんな』

人間、出してください!

大人として対応されると、すごいムカつくので…(笑)

いい大人ぶるヤツほど、嫌われるので、…いい感じに…。ダメな部分もちゃんと見せてあげてください』

この一連の会話のところも、「どきっ」っとさせられた。

大人としての対応、これは僕がずっと言っている「お役所的対応」にも近いと思う。心のない対応、と言ってもいいかもしれない。もちろん、そのお役所的対応で守れる部分もあるかもしれない。でも、支援の現実においては、それよりも「人間としての対応」が求められている。

ただ、その「人間的な対応」には、勇気がいる。枠やルールや規則や規律を超える勇気がなければ、「人間としての対応」は、組織内部ではとても難しい。

それができるかどうかは、ホント「その人次第」というところになる。

それに、人間を出したら出したで、そこを突いてくる子どももいるだろうし…。19年にわたって「人間」を晒しだしてきた僕からすれば、「人間を出す」って、めっちゃいばらの道、だから…😢

それでも、「大人として」じゃなくて「人間として」にこだわるためには、それ相当の覚悟と決意と信念が必要となる。それは、養護施設の職員だけじゃなくて、すべての子どもに関わる実践者に共通することでもある。

それともうひとつ。

この動画のように、施設出身者が自らの体験をもとに語ることこそ、とても大事なことだよなって強く思う。当事者の声、元当事者の声を聞く姿勢こそ、僕ら大人たちに必要なことだからだ。

子どもの権利に関する条約でも、「子どもが意見を表明し、参加できる権利」が掲げられている。というか、この条約で最も重要な権利(それまでに明文化されなかった権利)である。

子どもが自分の意見や考えを表明すること、そして意思決定に参加できること、これは僕も常に大事にしてきたところでもある。YouTubeというメディアができたからこそ実現したものでもある。こういうメディアを通じて、若い人たちが自由に発信できるようになったのも、一つの大きな進歩と言えるだろうな、と。。。

***

すごくすごくいい動画だったので、ここでもご紹介させて頂きました!

この動画の左にいる山本さんは、これまでにいない型破りな活動家さん、ですね🎵

影ながら応援してます✨

 

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児童福祉や母子福祉に関心のある人は是非!!!

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